レイアウトの作成は、方眼紙のようにマス目（トラック）で区切られたレイアウトウィンドウに、「線路」「機関車・客車・貨車」、人間、動物、樹木、建物といった「ストラクチャ」をドラッグ＆ドロップして行う。配置できるアイテムには新幹線車両などもあり、非常に多彩。すべて1トラックに収まるサイズになっており、トラック上で回転させたり、上下/左右に反転させたりして、自由に方向を変えられる。地形では、ユーザの用意したグレースケール画像から地形を作成できるほか、「地形の自動生成」機能により、ランダムな地形を生成することも可能。

レイアウトの編集は非常に自由度が高く、既存のレイアウトに対して、新しいアイテムを簡単に追加できるようになっている。例えば、すでに線路のあるトラックに別の線路を重ねるだけで、複数の線路を組み合わせた新しい線路を作れる。しかも、この組み合わせによって交差ができる場合には「信号」が、分岐ができる場合には「ポイント」が自動的に生成されるといった具合だ。

作成中のレイアウトは、その場で「3Dビュー」ウィンドウに反映される。さらに、簡単に視点移動を行うことも可能で、多方向からレイアウトを確認できる。

列車は、速度や自動列車停止装置（ATS）のON/OFFを指定して走らせることができる。運転の状況は、2D表示の「レイアウトウィンドウ」と、「3Dビュー」の二つのウィンドウで表示させることが可能。「3Dビュー」の視点は、レイアウト全体をカバーする「標準」のほか、「運転席」「左側車窓から」「（レイアウト内を）歩き回る」など6種類から選択できる。選択後に、視点をより細かく移動させることも可能で、見たい方向に視点を動かして、リアルな感覚で列車走行を楽しめる。

「3Dビュー」に表示される映像は、そのままQuickTimeムービーに書き出せる。静止画像として保存することも可能で、PICT/JPEG/BMPの各形式で出力できる。

ポリゴンを利用する3D映像は、もちろんそれなりに簡略化されてはいるが、画面の書き換えもなかなかスムーズで、特に視点をずらして横（水平面）から見ると「箱庭」を見るようで美しい。また、この「3Dビュー」を、レイアウト編集の際にも見られるのもよい。

本文に述べた通り、線路の「合成」が簡単に行えることに加え、「線路に山の地形を重ねると、自動的にトンネルが作成される」、また「地上と高架の線路を連結すると自動的にスロープになる（現実的にはおかしいのだが）」など、さまざまな処理・調整がほとんど自動的に行われる点も評価したい。どうしても複雑になりがちな地形作りも、ワンタッチで自動生成が可能な上、凸と凹を切り替えるだけで丘陵から河川・湖沼に変えられるなど、操作が非常に単純化されており、はじめての人にもわかりやすい。

鉄道の知識がない人でも十分に楽しめるが、立体交差を作ったり、複数の列車編成を作って行き違いさせるなど、ユーザのアイデア、工夫と調整次第ではかなり高度な列車運行をシミュレートすることも可能だろう。また、「集中管理システム」という、レイアウト上にある全列車の運転・停止や進行方向の制御、全ポイントの切り替えといった動作を制御するためのパレットが用意されており、これを使えば、オペレーションルームにいる感覚で、列車の制御を楽しめる。

開発中に苦労した点
3Dプログラミングははじめてだったので、やはりこの部分は苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方
レイアウトを作成してそれを眺めるだけのソフトですので、それ以外の使い方はできないと思います。ポリゴン数を少なくする必要があったり、読み込めるファイル形式が限られているなど、かなり制約はありますが、オリジナルの機関車やストラクチャを作成することが可能ですので、オリジナルアイテムの作成に挑戦していただければうれしいです。

今後のバージョンアップ予定
現在もアイテムの追加や機能追加など地道にバージョンアップを行っていますので、今後も見守っていただければ幸いです。