「FontUNow」は、「いまだけこのフォントを使いたい」といった場合に、一時的なフォントインストールを行えるユーティリティソフト。ドラッグ＆ドロップやボタンクリックだけの簡単操作が大きな魅力だ。画面は、「PAGE-1」と「PAGE-2」の2タブ構成で、「PAGE-1」でフォントのインストール＆アンインストール、「PAGE-2」でカナフォント用の文字変換を行える。

フォントをインストールするためには、「PAGE-1」タブのウィンドウ内にTTF形式のフォントファイルをドラッグ＆ドロップし、リストに追加してから行う。リスト登録が完了すれば、そのリスト内のフォントを一括インストールするか、必要なフォントだけを選択してインストールすることが可能となる。

インストール、アンインストールの操作は、画面左にあるボタンをクリックするだけで行える。画面左に配置されているボタンは、上からフォント名/インストール状態のソート、リストのクリア、選択インストール/アンインストール、すべてインストール/アンインストールの7個となっている。インストール作業を行うと、リスト内のボックスが黒く塗りつぶされるほか、画面下部に「インストール成功 >> フォント名」のように表示されるため、状況がひと目で把握できる。

カナフォント（1バイトフォント）をインストールした場合、かな入力を行う必要があるので、普段ローマ字入力の人にはなじみがなく非常に入力しづらいのが難点だ。そこでカナフォントの入力支援を目的とした「PAGE-2」タブが役に立つ。フォントと文字サイズを選択し、表示させたい文字をボックスに入力（通常の入力でかまわない）、「CONV」ボタンをクリックするとその下にプレビューが表示される仕組みだ。このプレビューはコピーできるので、別のアプリケーションにペーストして書体指定すれば、望む文字列を簡単に表示させることが可能となる。

日ごろは「MSゴシック」や「MS明朝」といったWindows標準のフォント以外は利用しないのに、はがき作成ソフトなどをインストールした際に、毛筆体など多くのフォントをインストールされてしまっている人は多いだろう。最近のパソコンでは、フォントファイル程度でハードディスクが容量を圧迫されるようなことはなさそうだが、フォントをインストールし過ぎることで、Windowsやアプリケーションの起動などが遅くなるなどの弊害は生じてしまう。

そこで、普段利用しないフォントを別フォルダに保存しておいて、「FontUNow」を使用すれば、必要なときに簡単にインストールすることができる、普段のパフォーマンスもそれほど低下しなくて済むのだ。操作も使いたいフォントを選んでボタンを押すだけと、悩むことなく行えるのがよかった。

また、インストール機能以外にも意外と役立つのがカナフォント用の変換機能。筆者はローマ字変換のため、かな入力の要領で割り当てられている文字を入力するときは、キーボードを指で辿って探している。だが、この機能のおかげで入力のストレスを激減できたので、非常に満足度が高かった。

ユーザにお勧めする使い方
やっぱり年賀状でしょう。普段は絶対使わないようなデザインフォントをちょっと使うとき以外、役に立たないと思います。

今後のバージョンアップ予定
フォントファイルのリストを複数作っておいてパターン切り替えで一括登録するとか、終了時のインストール状態を記憶しておいて、次の起動時にその状態を再現するというのを思いついたんですが、別になくても不便ではないので、機能を追加する予定はありません。また、最初に書いたようにメインの部分（フォントのインストール/アンインストール）は、たった二つのAPIを使っているだけなので、バージョンアップの予定がないというよりも、バージョンアップする余地がないという感じです。ただ、こんな機能があったら……というご要望があれば、能力と元気の範囲で対応しようとは思っています。

最後に
このソフトは、フリーでダウンロードできる「Borland Delphi 6 Personal」（Update2+RTL2）で作成しています。ソースコードも同梱しています。何かの参考になればうれしいです。