なぜに「KamiBack」?
「KamiBack」はディスクファイルのバックアップを行うためのソフトウェアです。世の中には、機能的には「KamiBack」には逆立ちしてもかなわない非常に高機能なバックアップソフトウェアが数多く存在しています。なのに、なぜにわざわざ「KamiBack」を使う必要があるのでしょう? ……フリーソフトで無料で使用できるから? まぁ、これもたしかに重要な点ですが、作者Kamiの意図はちょっと違うところにあります。もちろんKamiにとってもバックアップとは、ハードディスクのクラッシュやコンピュータウイルスにファイルを荒らされたりしたときの備えでもあります。ですが、Kamiにとってバックアップとはむしろ「古いファイルを上書きしてしまった!」とか、ソフト開発や文書を作っていて、「修正したファイルを上書き保存したけれどやっぱり元のままの方がよかった!」といった、自分のミスを回復するための保険なのです。こういう認識ですので、「KamiBack」は「システムを丸ごと復旧する」なんていう完璧主義の主役バックアップソフトウェアではなく、「間違えてつぶしてしまったファイルを数世代遡って回復する」という用途に向いている(とKamiは思っている)脇役バックアップソフトウェアとして制作しています。
ソフトを開発しようと思った動機、背景
以下の要件を実現したい、これが「KamiBack」を開発した動機です。
「とにかく単純なのがいいな」……ある程度以上のレベルのユーザなら、ややこしい独自フォーマットでバックアップされるより、一目瞭然のシンプルなバックアップの方が、いざというときに「力技」が使えて便利です。「KamiBack」はディレクトリ構造そのままにファイルをLZH形式で圧縮格納します。
「古いファイルは数世代さかのぼりたいな」……ソフトウェア開発をしていたりすると、1ヵ月前まではちゃんと動いていたのに、そのあとの改造で(いつかはわからないけれど)バグが生じてしまったなんてことは日常茶飯事です。面倒な処理なしで数世代前に遡れないとバックアップのありがたみがありません。
「バックアップしなくていいファイルがたくさんあるんだけど」……ソフトウェア開発に限らないかもしれませんが、バックアップする必要がないファイルもたくさんあります。ソフトウェアのソースファイルをコンパイルするとOBJ/DCU/RES形式などなど、これらを無視するために、ファイル選択には正規表現が使えないと(ユーザさんの要望でワイルドカードも使えるようにしましたが……)。
「安価(無料)がいいな」……バックアップは所詮は保険です。バックアップすることで何かの付加価値が生じるわけでもなし、保険料はやっぱり安くないといやです。ということで、「KamiBack」はフリーソフトです。まぁ、善意の寄付は喜んでお受けさせていただきますが。
開発中に苦労した点
すでに書いた通り、「KamiBack」は単純なものですから、開発自体にはさほど苦労していません。むしろ、ユーザさんによって求められる機能というか、仕様がかなり異なりますので、できるだけ多くの方々のご要求を満足するような機能拡張することに苦労しています。ソフトウェアに対する認識のずれもありまして、Kamiは「KamiBack」はあくまでもバックアップソフトウェアとの認識で開発しているのですが、ファイル圧縮ソフトウェアと認識してこのような機能を要求されるユーザさんまでおられまして、対応に苦慮したりいたしました。さすがにこれについては「KamiBack」の機能拡張ではなく、別のソフトウェア(拙作「FreezOld」)を開発することで許していただきましたが。
ユーザにお勧めする使い方
作家の方やコンピュータソフトウェア開発に携われる方のように、しょっちゅうファイルを更新し、かつ、しばしば古いファイルの内容を復活したり参照したりされる方にはかなり便利に使用していただけるのではないかと思います。一方、多くのファイルを更新することがほとんどない場合には、「KamiBack」よりも便利なソフトウェアがたくさんあると思います。なお、すでに書いた通り、「KamiBack」は全自動の完璧主義バックアップソフトウェアではありませんので、ある程度以上パソコンに詳しく、「KamiBack」が何をするのかを理解できる方にお勧めします。
今後のバージョンアップ予定
ユーザの方々から数多くの宿題をいただいておりまして、次のような改良を予定しています。
- バックアップ対象から特定のフォルダを除外する機能の追加
- バックアップ対象のフォルダをドラッグ&ドロップで追加する機能の追加
- 世代バックアップファイル削除時の条件設定が保存されるように修正
- 環境によってダイアログの文字が小さくて見難い場合がある点を修正
- ファイル指定のワイルドカード解釈方法の変更
(Kami)