「ドラゴン・ストーン」は、魔法を教える「ヴァン・アカデミー」に通う3人の生徒の冒険を描いたファンタジーRPG。主人公のスエッジは、落第すれすれの落ちこぼれ魔法使い。しかも、遅刻や欠席の常習犯のため、単位も常にぎりぎりだ。ある日、スエッジは補習で、優等生で幼なじみの少女ルナと、獣人族の友人ログの3人で「風のかけら」を手に入れる課題を与えられる。ところが、課題達成後に3人は不思議な石を見つけ、アカデミーに持ち帰ってしまう。一行が知り合いの冒険者にその石を鑑定してもらうと、それは「ドラゴン・ストーン」と呼ばれる強大な力を秘めた石であることが判明する。石を見つけて以来、突然現れるドラゴンや、レアアイテムを集める盗賊団の出現など、主人公の周りにさまざまな事件が勃発する……というストーリー。

戦闘やダンジョンの攻略は基本的に4人までのパーティを組んで行う。複数で行動する場合、「メニュー」＋「決定」ボタンを同時に押すことで、先頭に立つキャラを変更することが可能だ。このとき、先頭キャラが装備しているアイテムにより、装備効果を発動できる。装備アイテムには、小さな谷や段差を飛び越えられる「風の腕輪」、行く手を邪魔する草などを焼き払う「フレイム・リング」、特定の石や壁を壊す「アース・ハンド」などがある。これらの能力をうまく利用してダンジョンの奥を目指すのが基本的な攻略方法だ。

攻撃は、武器攻撃のほか、精霊魔法と通常魔法が利用できる。精霊魔法は、精霊を倒した際に一定の確率で手に入れられるアイテムを利用した魔法で、パーティ内の全員のアイテムが使える。MPなどを消費しないという特徴があるが、ひとつのアイテムにつき1回しか利用できない。一方、通常魔法は各キャラが習得している魔法のことで、キャラごとに使える魔法が異なり、使用するのにMPを必要とする。ゲーム内にMPを補充するアイテムはないが、「マジック・スポイル」という魔法を使うことで、敵からMPを奪うことが可能だ。ただし、通常魔法は精霊魔法と比較すると威力が弱いことが多い。

精霊を倒すと特定の魔法が使用できるようになったり、敵からMPを手に入れる独自のシステムがおもしろい。精霊によって落とす魔法アイテムが異なってくるので、「炎の攻撃魔法アイテムを落とす敵を重点的に倒す」「回復魔法を落とす精霊以外とは戦わない」といった戦略が必要になってくる。

また、ダンジョン上で利用できる装備効果もおもしろい。ダンジョン内に見慣れないオブジェクトがあると、おもわず全員の装備効果を試したくなってしまう。ダンジョンのなかには、装備効果を使ったパズル的な謎が用意されている場所もあり、戦闘ばかりで飽きないように工夫されているのもうれしい。

個性的なキャラたちのドラマを楽しんだり、特定の精霊魔法を集めるといったコレクター的な楽しみ方もできる良作である。

開発中に苦労した点
どこで「おもしろさ」を引き出すか、に悩みました。戦闘バランスを考えるのは苦手なので、プレイヤーの方に「爽快感」を楽しんで頂ける「謎解き」や「仕掛け」を入れたつもりです。私自身も戦ってばかりのRPGに気怠さを感じるので、戦うだけではなく、考えるRPGを作ろうと頑張りました。

ユーザにお勧めする使い方
このゲームでは「装備アイテム」や「先頭変更」という特殊コマンドを使っています。アクションゲームのようなコマンドをフィールド上で押すと、キャラによって違うアイテムを発動させられるというものです。「装備アイテム」を使用する場所には基本的にメッセージは出ません。アイテムを何処で使うかはプレイヤー次第。例えば、暗い部屋で消えているランプがあったなら……、あなたならどうするでしょうか？　「先頭変更」の方は、手軽に先頭キャラを変えられるコマンドです。先頭キャラによって違う反応をする住民もいますので、いろいろ冒険をしてみてください。

今後のバージョンアップ予定
バグが見つかり次第、随時更新していく予定です。「ドラゴン・ストーン」は「Legend of The Sky」という長編RPGの番外編として制作しました。本ゲームから10年後の、同じ世界で引き起こされる冒険ストーリーで、現在、頑張って制作中です。「ドラゴン・ストーン」では明らかにされなかった謎やある人物の正体、キャラのその後も明らかになっていくと思います。独特なシステムやストーリーに興味を持ってくださった方は、ぜひ本編の方も遊んでみてくださいね（公開日はまだ未定です）。