「やるぞ！確定申告2003」は、初心者でもガイドを見ながら簡単に作成できる確定申告書作成ソフト。収入や控除額といったデータを入力していくと、納税金額・還付金額を算出してくれる。入力・作成したデータを申告書のフォーマットに合わせて印刷し、そのまま提出することが可能だ。

青色、白色、各分離課税、損失申告、修正申告など、ほとんどの確定申告書類に対応する。もちろん、決算書や各種収支内訳書も作成できる。申告書や内訳書はそれぞれ連携しており、例えば内訳書にデータを入力すれば、確定申告書にもそのデータが自動的に転記される仕組みで、同じデータを何度も入力する必要がない。

どんな書類を提出すればよいのかわからない場合は、「提出書類ナビゲーション」を利用する。いくつかの質問に答えるだけで、どの申告書を使って、何を一緒に提出すればよいのかを判断してくれる。あとは、画面に従って収入金額などを入力していけばよく、申告書を簡単に作成できる。例えば、複数の支払い先から給与を受けているなどの内訳書が必要な場合は、「給与」ボタンをクリックすれば内訳書の作成画面が表示される。収入や必要経費、源泉徴収金税額を入力することで申告書にそのデータが転記され、所得金額の合計まで自動的に計算してくれる。控除金額も同様に内訳書に記入すればよい。

項目ごとに用意されている「ガイド」には、各項目の解説や記入方法が丁寧に説明されており、確定申告に不慣れな初心者でも参照しながら入力していけるように工夫されている。控除額や税額を計算してくれるフォームも備え、源泉徴収票などに書かれている金額などを入力すると、申告書に記入する金額を算出してくれる。そのほかにも税率票などの詳細な情報が掲載されており、「なぜそのような金額になるのか」もわかる。

ユニークなのは、主要メーカーのプリンタに対応した印刷機能。税務署でもらえる確定申告書に合わせて、ユーザ自身が記入しなければならない基本情報や金額を印刷できる。確定申告書のOCR書式に対応しており、OCR-Bフォントを搭載したパソコンで印刷すれば、書類をそのまま税務署に提出できる。また、印字がずれないように、プリンタごとの印字調整も行える。印刷するかどうかは各項目ごとにON/OFFで指定できる。

「提出書類ナビゲーション」を使ってどんな書類が必要なのかがわかったら、あとは画面に従ってデータを入力していくだけでよい。データを一度入力すると、ほかの書類にも反映されるので、打ち間違えることがなく安心だ。どう記入してよいのかわからない欄でも、ガイド上のフォームを使ってすぐに割り出せるのは便利。また、必要なデータを記入したら、還付される金額もしくは納める税額まで計算してくれるので、どれくらい戻ってくるのか、もしくは追加で払わなければならないのかがひと目でわかるのはうれしい。

ただ、確定申告ははじめてという初心者向けの工夫がもう少しあるとなおよかった。例えば、確定申告書の作成手順など基礎の基礎がわからないユーザは多い。そこで、イメージや表などを使って、メイン画面などに基本的な作成手順を表示すれば、初心者でも何をすればよいかがひと目でわかるだろう。また、項目によっては、ガイド機能にある自動計算フォームで入力金額を割り出せるようになっている。非常に便利なのだが、割り出された金額はユーザ自身が申告書フォームに入力しなければならない点が不安を感じさせる。自動で申告書に転記されるようにすれば、打ち間違いがなくなり、さらに簡単になるだろう。もしくは、いっそのこと必要な項目をすべてウィザード形式で入力していくと申告書ができあがるような仕組みになっていれば、初心者にとっては言うことなしだ。