「サーチクロス」は、インデックス方式の文書ファイル検索ソフト。キーワードを入力するとインデックス内を検索し、キーワードを含むファイルをリストアップしてくれる。検索可能なファイルは、文書ファイルおよび対応メールソフトのログファイルとなっている。テキストファイルや、HTML、CGIなどに対応するほか、「Word」「Excel」「PowerPoint」「一太郎」「Adobe Acrobat」といった多彩なアプリケーションの文書ファイルにも対応している。

メイン画面は3ペイン構成。左側がキーワード入力画面で、右側上部に検索結果のリストを表示する。リストのファイルを選択すると、右側下部にプレビュー表示し、ファイルの内容を確認できるようになっている。検索の際はキーワードのほかに、入力した単語のいずれかを含む（もしくは含まない）といったオプションや、大文字と小文字、全角と半角の区別、あいまい検索、先頭一致検索などの条件を追加できる。また、検索する場所やファイルの種類、日付の指定も可能だ。そのほか、目的の人名を確実に絞り込めるオプションも搭載している。

検索時に参照するインデックスファイルは、インストール時に作成される、デスクトップおよびマイドキュメント内のファイルと、メールソフトのログの二つ。このほかにもフォルダを指定してインデックスを追加することができる。また、作成・更新したファイルを調査し、インデックスを修正することも可能だ。一定期間ごとに自動的に更新する自動更新機能も装備している。

電子メールのログ検索機能は、「Outlook」「Outlook Express」「Becky!」など、主要なメールソフトに対応する。検索されたメールに対して、結果一覧から直接返信できるのも特徴のひとつだ。

検索結果に表示したくないファイルは、検索結果画面で「プライベート指定」にすることで、通常検索では対象から除外される。プライベート指定されたファイルでも、検索オプションで設定すれば、検索対象とすることが可能だが、セキュリティのため、このオプションの設定時にはパスワード入力を求めるようにすることができるようになっている。

「確かこんな単語が使われていた気がする」という程度のうろ覚えの単語でも、ファイルの内容を検索して該当するファイルをリストアップしてくれるので、ファイル名や保存場所などがわからなくても手軽に探せる。設定できる条件も多く、大量のファイルが検索された場合でも徐々に条件を絞り込んでいけば目当てのファイルがすぐ見つかるだろう。ただし、ひらがなの単語は検索できないので要注意だ。

ソフト上でプレビューしたファイルは、例えばHTMLファイルなら、ブラウザで見るのと同じように表示される点も使いやすい。わかりやすいように検索語を反転表示してくれるだけでなく、リンクなども機能するので、そのままブラウザとして利用できてしまう。ただし、「Word」や「Excel」といったアプリケーションファイルの編集は、各アプリケーションを起動して行う。

メールソフトの検索機能は、複数のメールソフトを使い分けている場合に特に便利だ。どのソフトでメールを受信/送信したかわからなくても、検索するファイルの種類を「メール」と指定すれば、複数のメールソフトの中から該当するメールをすべて表示してくれる。

しかし、私たちが作っていたのは、いわゆる「全文検索ソフト」というカテゴリとは少々違います。このソフトは「電子メールの検索」と「文書ファイルの検索」に全力を注ぎました。特に電子メールに至っては、仕事で使っている人ほど数年分のメールのログが溜まっていることでしょう。何かのときに参照するかもしれないので捨てることもできません。しかし、本当に必要なときに瞬時に探し出せるほど、どのメーラの検索機能も優れたものではありません。ストレスを感じながら、どこだ、どこだと時間を費やすことのが多かったはずです。

この、捨てに捨てられないメールの山を、すぐに検索することができたなら宝の山に変えることができるのに！

同様に文書ファイルもそうです。インターネット検索や文献検索ソフトでは、あいまいなキーワードで類似な事項が出てくることが要求されます。しかし、個人のメールや文書ファイルの検索は、本来自分で書いたものを検索するのですから、曖昧さよりも確実さが重要です。目の前にある文書の内容で検索してヒットしなければ意味がありません。

このような点から、コンパクトですばやく確実な一元管理の検索を目指して「サーチクロス」を作り上げました。今後も、私たちの考えたコンセプトを発展させ、よりよいソフトに逐次育て上げ、頻繁なバージョンアップをお約束します。

「サーチクロス」を利用して、溜まったメールのログをも貴重なデータベースとしてご活用いただくことを切に望みます。