「チーズ共和国」は、チーズ専門店を舞台に、14種類のチーズをそれぞれの最適の熟成度合いで客の前に届ける、という一風変わった設定の荷物運搬系パズルゲーム。チーズは熟成庫（カーヴ）の中で雪だるまを使って低温に保たれている。ただし、雪だるまが保冷剤としての効力を発揮するのは、赤い帽子の雪だるまではその周囲の9マス、緑色の帽子の雪だるまの場合は、上下左右の直線上（壁に遮られるまで）のみ。この範囲から一度でも外れてしまうとチーズはたちまち腐ってしまい、食べることができなくなる。それぞれのチーズは種類によって食べごろが異なり、最適の熟成度合いで客の前に出さないと「マズイ」と言われ、ミスになる。

この条件の中、カーヴ内の開いた穴までチーズを押して運び、最適の状態のチーズを客の人数分落とすことができればステージクリア。ゲーム画面の右側には、それぞれのチーズの過熟になるまでの日数と現在の熟成度合（未熟だと緑の×、過熟だと青い×、食べごろは赤い○、腐っているとドクロマーク）が表示されているので、それを参考にチーズを運べばよい。チーズだけでなく、雪だるまも押して動かすことができるので、これを利用して安全な道を作りながらチーズを運ぶのがポイントだ。ゲーム内では、主人公がカーヴの中を一歩あるくごとに1日が経過する。

パズルゲームとしても非常によくできている。荷物を押して目的地まで運ぶポピュラーなスタイルのゲームだが、いくつものオリジナル要素が絡み合い、おもしろいゲームに仕上がっている。

条件の異なる数種類のチーズをどういう順番でどういうルートで運べばいいのか。チーズを運ぶルートそのものも、雪だるまを動かすことで変えた方がいいのか。チーズを落とす穴が複数ある場合は、どこから落とすのがいいのか。ステージによっては、食べるのに適さないチーズが穴の前にあって邪魔をしていることもある。さまざまな要素が絡まり合い、後半になればなるほど手強くなっていく、歯応えがあり、味のあるパズルゲームである。

なぜ、題材にチーズを選んだかというと、単に自分が好きだということもあるのですが（登場するチーズは、実際にいままで試したものの中から選んでいます）、熟成の加減や状態によって、客の評価が分かれるので、その難しさをパズルゲーム化したら、何か変わった作品ができるのではないかと考えたからです。

開発中に苦労した点
開発についてですが、今回は完成度を上げるというよりはネタ重視で制作したので、無理もせず、楽しみながら、短期で制作を終えることができました。それでも何かを挙げるならば、色制限でしょうか。256色で作ったので、フリー素材が使えない部分は苦労しました。

ユーザにお勧めする使い方
プレイを楽しんでいただければ、作者もうれしく思います。危険なチーズを食べた客の表情にはぜひ注目していただきたいと思います。

今後のバージョンアップ予定
現在のところ、バグがない限りはバージョンアップは考えていませんが、もし今後、続編を作るのであれば、客の反応のパワーアップ、客やチーズや雪だるまの種類を増やそうと考えています。感想などお待ちしています。