「迷宮deタイピング」はその名の通り、ステージクリア形式の迷宮（迷路）脱出ゲームと、ローマ字入力のタイピング練習を組み合わせたソフト。迫り来る敵キャラに捕まらないように逃げながら、閉じこめられた迷宮から脱出するのが目的だ。

画面は、ゲームを進める「メインパネル」、スコアや制限時間、アイテムなどの状態を表示する「ステータスパネル」、キャラおよびアイテムの位置がわかる迷宮全体のマップ「レーダーパネル」（地図アイテム取得後に表示される）、タイピング練習のための単語が出題される「コマンドパネル」の各パートで構成される。

コマンドパネルには7個の単語が表示され、いずれかの単語を正しくタイプすることで、自キャラの上下左右への移動やアイテムの使用、ポーズ（PAUSE）、ギブアップ（GIVEUP）が行える。出題される単語の種類は、植物や食べ物の名前、スポーツ関連用語、慣用句などさまざま。日本語と入力すべきキーが併記された形で出題されるが、例えばSHI/SIなど、表示されている表記法と異なる表記法でタイプをした場合でも、正解と判定してくれる「自動判定機能」がある。タイプミスは無視されるほか、【Esc】キーで入力をクリアしてやり直すこともできる。

迷宮内には宝箱が置かれ、ポイントが獲得できる「宝物」や、迷宮から脱出できる扉が出現する「鍵」、レーダーを表示する「地図」、ゲーム内の時間を止める「杖」といったアイテムが隠されている。これらのアイテムの使い方がステージクリアのカギとなる。

1単語入力してもわずか1コマずつの動作なので、ちょっともどかしい気もするが、余計な気を使わずに進みたい方向の単語をバリバリ打ち込んでいくことで、入力速度の鍛錬にはなると思う。逆にいうと、タッチタイピングがだいたいできる、というレベルでないとちょっと苦しい。敵が迫ってくる場面などでは思わず緊迫してしまい、ミスを犯しやすくなったりもするし……。全体的にゲームの要素が強いが、タイピング練習ソフトとしてみると、初級レベルよりも中級以上のタイピング能力を持つ人が、さらにスキルアップを図るのに役立つかもしれない。

ローマ字の自動判定機能はよくできているが、唯一「ん」だけは、いつでも「NN」と入力する必要があるようだ。筆者は、後ろに子音字が続く場合、例えば「たんご」なら「TANGO」と入力しているので、これに対応してくれればありがたい。

タイピングにゲームをプラスしたソフトはたくさんあるのですが、その多くは、正確に文字を打ち続けて点数を稼ぎ、タイプミスが多くなるとゲームオーバーといったタイプのものが多く、せっかく作るのなら違うタイプのソフトにしようと考えた結果、「タイピング」に「迷路ゲーム」を組み合わせてみました。

タイピング初級者でもプレイできるようにと考えたのですが、やはり、初級者にはちょっと敷居の高いものになってしまったのが、反省すべき点です。それに、高速なパソコンでないと、快適にプレイできなくなってしまったのも残念なところです。また、ゲームバランスの調整に時間がかけられなかったので、全体的にゲームの難易度が高く、プレイ時間が長すぎるかもしれません。これらを改善して、バージョンアップできればいいなと思っています。

大きなバージョンアップはとりあえず予定していませんが、ひょっとしたら「〜deタイピング」シリーズとしてシリーズものにするかもしれません。