i-Typingは、オーソドックスな画面構成のタイピング練習ソフトだ。使う指により色分け表示されたキーボードイメージを中心に、問題やタイプすべき文字が見やすく表示される。また、ミスタッチの回数や入力速度、解答数/出題数などがリアルタイムで表示され、練習の状況がすぐにわかるようになっている。入力速度に関しては、プログレスバーも備えており、現在のタイプ速度を視覚的にもすぐに確認できるよう工夫されている。キーボードイメージでは、次にタイプすべきキーが赤く表示されるため、初心者でも表示された通りにひとつひとつ練習できる。ミスタイプの場合は、正しく入力されるまで先に進まない方式だ。

練習メニューは「アルファベット」2種類（A〜Zまでの連続、大文字・小文字のランダム出題）、「数字」「記号」「アルファベット＋数字＋記号」に加え、別ファイルで用意された問題を読み込む「単語」の計6種類のモードから選択できる。「単語」の問題として、12種類のサンプルファイルが付属する。サンプル問題は、一般的な単語を集めた問題のほか、日本語＋英単語＋記号の組み合わせの問題、出題された日本語を英単語に訳して入力するもの、ANSI Cに登場する単語の問題など、バラエティに富んでいる。ルールにしたがってテキストファイルを編集すれば、オリジナル問題も簡単に作成できるようになっている。

いずれの練習モードでも、キーの入力速度やミスタイプ数などのデータは保存され、過去20回分のデータをグラフ化して参照できる。

サンプルで用意されている12種類の例題をきちんとこなすには、相当の持久力と集中力が必要だろう。特に278ワードもの例題が含まれるANSI C用のものや、287ワードのWindows API用などは途中で嫌気が差してくるくらいの代物だ。とりあえずはSample00.datから順番にはじめればよいのではないだろうか。最初はそう難しくはないが、順を追って入力しにくい単語が現れてくる。画面も操作性も派手な点はないが、i-Typingできちんと練習すれば、キーボード入力などまったく怖くなくなるはず。

ビジュアル的に華やかでもなく、エンタテイメント性が高いわけでもなく、シンプルでオーソドックスなi-Typingのインタフェースは、私がタッチタイピングの練習に使ったそのソフトを参考にしたものです。

特にPC初級者の方に使っていただくことを前提に「使いにくい」「わかりにくい」といったことがないよう、ヘルプファイルをできるだけ詳細まで作成し、随所に操作アドバイスを表示するようにしています。実際の操作も、複雑なものは廃止し、感覚的に操作できるよう配慮しました。また、いくつかのイースターエッグ（注：作者が遊び心で仕込んだ隠しメッセージなど）も組み込んであります。

まだまだ開発途中ですが、PC初級者のキータッチ練習に、また、中・上級者のタッチタイピングのスキルアップに使ってもらえたら幸いです。今後盛り込みたい機能はたくさんあるので、時間を見つけてバージョンを上げていきたいと思います。