“モバイルとのシームレスな連携”を実現した、“定番”フォトレタッチソフト「Adobe Photoshop Elements」の新バージョン。作品のソーシャルサイトなどでの公開も手軽に行える。「Adobe Photoshop Elements」は、プロフェッショナルレベルの高度な写真編集機能を、初心者でも手軽に利用できるフォトレタッチソフト。大きめのアイコンをはじめ、インタフェースはわかりやすく、はじめてでも戸惑うことなく使える。新バージョン「12」では、クラウドサービス「Adobe Revel(旧Adobe Carousel)」との連携機能が追加され、モバイル機器とデスクトップ機との間で写真データを共有・同期できるようになったほか、編集機能も強化され、コンテンツに応じた違和感のないオブジェクトの移動、ペットの赤目補正、自動スマートトーン補正なども可能になった。
新たに導入された「モバイルアルバム」は、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスで撮影・編集された画像を一括管理できる機能。「Adobe Revel」のクラウドサーバを利用することで、編集結果をそのままスマートフォンやタブレットなどで閲覧できる。「モバイル機器で撮影した画像をパソコンにコピーする」といった面倒な作業を行うことなく、そのままパソコンで動作している「Adobe Photoshop Element 12」で編集することが可能だ。
モバイルアルバム上の画像へのリンクを共有すれば、撮影・編集結果の画像をWeb上で公開することも簡単。Adobe Revelだけでなく、FacebookやTwitterといったSNSへの画像アップロード機能も搭載し、より広範囲に画像を公開できる。
画像編集機能では、写真に含まれる人物や物体などのオブジェクトを別の場所へ移動したり、邪魔なオブジェクトを削除したりを手軽に行えるようになった。移動・削除するオブジェクトは、厳密に輪郭をトレースしなくても、大雑把に選択するだけでよい。移動・削除によってオブジェクトがなくなる部分も周囲の画像から補完され、違和感のない修正を行える。
暗いところで光が当たった結果、目の色が赤く写った写真を補正する「赤目補正」機能は従来から搭載していたが、新バージョン「12」では、動物の写真に対しても赤目補正を行えるようになった。動物写真の場合、目の色が白くなったり、金色になったりすることもあるが、こうした写真でも簡単に修正できる。
傾いた写真の補正機能は多くのフォトレタッチソフトが備えるが、補正の結果、周囲に三角形の欠けが生じることが多い。「Photoshop Elements 12」では、失われる部分の画像が周囲の画像から自動的に補完され、傾き補正を行っても、画像サイズが「小さくなる」現象を回避できる。
露出不足などで明るさやコントラスト、色などを補正する場合も、ワンタッチで高度な自動補正を行える。ユーザの露出とコントラストとの組み合わせの好みを学習し、自動設定してくれる「自動スマートトーン補正」などにより、手軽かつ確実に補正できる。
画面デザインはわかりやすく、操作性は高い。機能を選択するためのアイコンや、その時点で選択可能な機能が表示される「アクションバー」などが大型化。その時々の操作をステップバイステップで適切にガイドしてくれる機能も強化され、はじめて使う場合でも戸惑うことはない。
ユーザインタフェースは、操作者のレベルに応じて3種類の操作モードが用意された。とにかく手早く画像修正を行える「クイック」モードでは、「Photoshop Elements 12」が提示する修正候補から好みのものを選ぶだけでよい。ある程度自分で修正内容を判断したい場合には、操作ガイドに従って修正内容を選択できる「ガイド」モードが便利。レタッチ作業に習熟したユーザであれば、すべての機能を詳細に設定できる「エキスパート」モードが適している。