「やるぞ!青色申告2011」は、青色申告に必要な損益計算書や貸借対照表といった一連の帳簿類を作成するためのソフト。実際の申告では、そのほかに確定申告書を作成しなければならないが、それについてはパッケージ(アーカイブ)に「やるぞ!確定申告2011」が含まれているので、まず「やるぞ!青色申告2011」で帳簿を作成し、それから「やるぞ!確定申告2011」にデータを取り込んで、申告書類を作るという流れになる。
こうした性格の違いもあり、「やるぞ!青色申告2011」の主要機能はデータの入力と帳票の出力の二つとなっている。「やるぞ!確定申告2011」における書類ナビゲーションのような機能はない代わり、まず最初に「青色一般」「青色不動産」など、申告の種類を選択する。
選択が終わったら、いよいよデータの入力。伝票入力メニューを開くと「振替伝票形式」「出納帳形式」「売掛帳形式」「買掛帳形式」というボタンが並び、クリックするとそれぞれの入力画面が現れる。
振替伝票形式では、複式簿記ならではの「借方」「貸方」それぞれの勘定科目を書き込むが、手書きの帳簿とは異なり、金額の入力は1件についてひとつだけでよい。簿記の知識がない人にはわかりづらい借方、貸方の記入方法や「どの科目を割り当てたらよいのか」といった悩みについては、それぞれ「仕訳ナビ」「科目ナビ」という機能がサポートしてくれる。
まず「仕訳ナビ」では、「現金の引き出し」「売り上げの入金」といった典型的なお金の流れ(仕訳内容)と、それに該当する借方科目、貸方科目がセットになってリスト化され、検索機能を使って該当する項目を調べることができる。ヒットした項目から詳細説明画面を開くと、詳しい説明を表示してくれるだけでなく、仕訳内容、借方科目名、貸方科目名をセットで帳簿に転記できる。
検索機能では、収益や資本といった大まかな科目を指定したり、経費や仕入れ、人事といった状況を条件に設定したりできる。キーワードを指定することも可能。項目は多岐にわたり、漠然と検索してみるだけでも「どんなときにどんな書き方をすればよいのか」を知るための絶好の資料になる。
「頻繁に使うので、わざわざ検索するまでもない」という組み合わせは、「よくある仕訳」機能を使えば、よりスピーディに入力できるようになる。もちろん「よくある仕訳」は、自分の業務に応じてカスタマイズすることが可能だ。毎月の家賃のように定期的に発生するものは、「月例仕訳」として登録しておくことで入力を簡略化できる。
「科目ナビ」は、「細かい買い物や支払いなどをどの科目に割り当てたらよいかわからない」ときに役立つヘルプ機能。例えば「食事会は、基本的に接待交際費だが、場合によっては福利厚生費になる場合もある」といったことがわかる。さらに「消耗品として登録できるのはいくらまでか」といった説明もあるので、活用しよう。
売掛帳や買掛帳なども利用してデータの入力が終わったら、帳票の出力だ。仕訳帳、元帳、月次試算表、損益計算書、貸借対照表、消費税等計算書、月別売上仕入金額、減価償却費計算書といった書類のプレビューと印刷を行うことが可能。特記事項など、一部手作業で入力しなければならないところもあるが、多くは自動的に集計して作成してくれる。減価償却費計算の基礎データや、水道光熱費などで家計と事業費を按分しなければならないものは、帳簿の入力画面ではなく「年次管理」機能で登録する。