音数が限られていたMIDIから非可逆圧縮の音楽ファイルへ、そして非可逆圧縮から可逆圧縮へと、パソコンの性能がリッチになるにつれて“音楽ファイルの標準”も変わっていく。ということは、アプリケーションの側も変わらなければならない。そうした変化に対応している、対応しようとしているソフトを、今回は取り上げたつもりだ。
完成度が高かったこともあってか、ここのところバージョンアップが止まっていた「Sound Player Lilith」。その後継版は満を持してというべきか、Unicode化や64bitネイティブ化など、よいところを残しつつ、現在のパソコン事情に合わせてきている。陳腐な言い回しで恐縮だが、使ったことのない方はとにかく使ってみてほしい。サウンドプレイヤーとしての完成度の高さは抜群だ。
「Radiotracker 5」は、ネットを経由するラジオから音楽を抽出するという、ユニークなアプローチのソフトだ。探すところはパソコンとソフトにまかせて、ユーザはただ「聞くだけ」でよい、まさに自動化の極みといえる。世界中のラジオをサーチ対象にできる点もポイントが高い。
iPodユーザであれば、「I氏のつぼ」は注目のソフト。iTunesとはコンセプトや管理方法が大きく異なるので、どちらが優れているとは断定しづらい。それだけに、一度試して使い勝手を見極めてほしいと思う。「I氏のつぼ」は、iTunesより動作が軽快なのも利点だ。
「SoundEngine Free」は、正直、「これがフリーソフトでよいのか」と悩んでしまうくらいに「濃い」編集ソフト。エフェクトの充実ぶり、操作の簡単さ、処理速度の速さなど、文句のつけようがない。「すでにある曲にさまざまなエフェクトをかけて遊ぶ」といった使い方もおもしろいだろう。