操作がわかりやすくてシンプルなソフトが好きな人にはこれ。宛名印刷と住所管理専用の「はがき作家 あてな」、そして裏面の作成と印刷専用の「はがき作家 うら」がセットになった製品だが、そのどちらも本当に必要な機能だけに絞り、とことんまでわかりやすく工夫されたユーザインタフェースが使いやすい。すでに裏面が印刷された年賀状の宛名書きだけしたいという人や、デジカメで撮影した写真や他のグラフィックソフトなどで作成した画像を使って年賀状を作るつもりの人にお勧めだ。
まず「はがき作家 あてな」から試してみよう。「あてな」の使い方は一目瞭然。メイン画面を見ただけでほとんどわかってしまう。画面の左側には住所録が表示され、右側にはその住所をはがきに印刷したときのプレビューが表示されており、データを変更するとリアルタイムに反映される。住所録には相手の自宅と勤務先の2種類のデータを登録することができ、家族構成や電話番号、メールアドレスなども管理できる。差出人のデータを個人用や会社用など複数登録でき、相手ごとに使用する差出人データを指定できるのも便利だ。
はがきのレイアウトは官製はがきと年賀状のみの対応だが、住所や氏名の文字数に合わせて自動的にフォントの大きさが変化し、均等割付などをしてくれるなかなかのスグれものである。
「はがき作家 うら」の操作はさらに簡単だ。レイアウトの調整以外の操作はすべて右側のペインで行える。右上の「文章を追加」をクリックするとテキストを入力することができ、「イメージを追加」で画像の読み込みが可能だ。対応している画像形式はJPEG/BMP/PNG。テキストは縦書きと横書き、フォントと色、サイズ、太字/イタリックを設定できる。イメージはサイズの変更と明るさ、コントラストの調整、背景の透明色の指定が可能。イメージや文章の表示順の変更も可能。オブジェクトが縦に並んだツリー状のビューで順番を変更できるため、非常にわかりやすい。
印刷も簡単だ。「印刷」ボタンをクリックすると右のペインにプリンタや用紙、拡大・縮小、オフセットなどの項目が表示される。通常の印刷ダイアログよりも見やすくてわかりやすい。もっとも基本的に用紙のサイズや向き、倍率などは自動的に設定されるので、ユーザが操作をするのは通常、印刷枚数程度だろう。
カタログ上の機能こそ少ないが、最低限必要な機能をひと通り備えており、操作性もよい。なかなかよくまとまったソフトだ。ユーザの好みや用途によっては重厚長大型のソフトよりもずっと便利に使えるはずだ。