ベクターソフトニュース - 1999.12.11 |
||
CHOCOA Ver.1.0
チャンネルペインの追加などの機能強化が図られた“定番”IRC用クライアントソフト ■Windows 98/95/NT ■フリーソフト |
||
IRCでは、話題に応じていくつものチャンネルが設置されている。このチャンネルがチャットルームに相当するが、(ソフトを複数起動しなくても)同時に複数のチャンネルに参加し、さまざまな人とチャットを楽しめるのがCHOCOAの特徴。カレントチャンネルの発言内容を表示するメインウィンドウ、その他のチャンネルの内容を表示するサブウィンドウ、カレントチャンネルに参加しているユーザとその情報を表示するユーザウィンドウという構成は旧バージョンからのものだが、新バージョンでは、参加中のチャンネルを表示するチャンネルウィンドウが追加され、ウィンドウが4分割された(CHOCOAではウィンドウと呼んでいるが、実際はペイン)。これにより、参加チャンネルが一覧表示されるためわかりやすいのに加え、チャンネル名をダブルクリックするだけでチャンネル移動が可能になるというインタフェースの向上が図られた。さらに、同時に複数のIRCサーバにアクセスできるようになった点も新バージョンの大きな特徴だ。 一方、会話中に現れるURLを抽出してメニューに表示したり、ブラウザで表示中のページからURLを取り込むといったWebとの連携、会話の中に指定した文字列が現れるとそれをユーザに知らせてくれるキーワード通知、サーバを経由しないクライアント間でのダイレクトファイル転送、VocalTec の Internet Phone、Microsoft の NetMeeting との連携といった従来からの機能はそのまま継承している。 新バージョンのもうひとつの大きな特徴は、スクリプトによるカスタマイズ機能の強化だ。CHOCOA Scriptというスクリプトエンジンを内蔵し、さまざまな機能を実現できるようになった。例えば、誰かがチャンネルに参加してきたときにメッセージを自動送信したり、同時に複数チャンネルに発言したり、ユーザウィンドウに表示されるアイコンを変更する、などといったことが可能だ。CHOCOA Home Page には、CHOCOAユーザの作成したスクリプトが数多く公開されている。 また、CCAPI(CHOCOA Client API)というAPIが用意されており、これを使うとCHOCOAと連携する外部プログラムを作成できる。チャット中に、チャンネルへの人の出入りなどのイベントが発生すると、キャラクタがメッセージを表示する「フィンフィンエージェント for CHOCOA」という、このAPIを利用したプログラムも公開されている。 ●
|
|||||
Ver.0.2xからVer.1.0へのアップというと、以前を知らない人にとっては従来はテスト版でようやく正式版がリリースされたかのような印象を受けるかもしれない。だが、IRCではあまりヘビーなチャットはしない筆者にとっては、従来のバージョンでも十分な機能を備えていた。
そんなわけで今回のバージョンアップで強化された部分は、複数のチャンネルに参加して積極的にチャットを楽しみたい人や、スクリプトでいろいろなことをやってみたい人向けの機能アップが主眼といえそうだ。ただし、ユーザウィンドウでニックネーム以外の情報を表示したり、ソートができるようになった点は、参加者の多いチャンネルなら誰でも恩恵にあずかれるわかりやすい改良点といえる。 やや残念なのは、配布アーカイブファイルの中にヘルプファイルの類がなく、操作解説は CHOCOAのホームページ を参照しなければならないこと。チャットに関する機能は当然サーバに接続した状態でないと使えないから、マニュアルもオンラインで見ることができればいいのではないかと言われれば確かにそうなのだが(別にそう言われたわけではないけれど)、接続前に「予習」できたらと思う人もいるのではないだろうか。 (福住 護)
《スクリーンショット》 複数のIRCサーバに同時接続可能。接続するとウィンドウが増える 《スクリーンショット》 タイトルバーを点滅させるオプションが増えたキーワード通知機能 《スクリーンショット》 スクリプト作成用のエディタ画面 【作 者】 (株)富士通研究所 【作者のホームページ】 http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/free/chocoa/ |
||
|
||||
上で紹介したソフト(およびその関連ソフト)のソフト詳細ページにジャンプします。ソフト詳細ページからリンクされたダウンロードページでソフトをダウンロードできます。ソフト詳細ページには、作者データページへのリンクもあります。
|
||||