「おまかせ読み取りOCR」はGoogle社のOCRエンジンを採用している為、文字解析の精度の点では、Googleドキュメント(Googleが提供するWebブラウザ内で動くオフィスソフト)に搭載されているOCR機能と同等であると言って良いだろう。
ただし、GoogleドキュメントのOCR機能を使用する場合は、WebブラウザでGoogleドキュメントを開いて画像ファイルをアップロードする必要があるが、「おまかせ読み取りOCR」を利用すればパソコン内に保存されているファイルやスキャンした書類を直接テキストデータに変換でき、よりスピーディーに読み取り作業を行なえる。紙の書類をテキストデータに変換する作業を定期的に行なうのであれば、「おまかせ読み取りOCR」を利用したほうが効率的に作業できるだろう。
「おまかせ読み取りOCR」を使用する上で注意すべき点を2つ挙げておく。
1つ目は、手書きの文字で書かれた原稿や、手書き風フォントで書かれた原稿は正確に読み取れない事だ。綺麗な字で書かれた物であれば、そこそこの精度で認識されるかもしれないが、あまり期待はできない。「おまかせ読み取りOCR」で文字として認識できるのは、一般的なゴシック体や明朝体の文字だけと考えた方が良いだろう。
2つ目は、テキストの量が多い場合に読み取りに時間が掛かる事だ。特に、スペックの低いパソコンでスキャンした書類等を読み取ると、操作が完了するまでに数分かかる事もある。大量の書類をテキストデータ化したい場合には事前にテストしておいた方が良いだろう。
今後、民間企業や公的機関において書類のデジタルデータ化が進むにつれて、新しく作る書類だけでなく、これまで紙媒体で保存していた書類をデジタルデータに変換する機会も増えてくるだろう。
大量の書類をデジタルデータ化するには、専用のスキャナやファイルサーバを用意する等、それなりの準備をしなければならないが、数枚〜数十枚くらいの規模であれば、まずは「おまかせ読み取りOCR」のような手軽に使えるOCRソフトから試してみるのも良いだろう。書類のデジタルデータ化を検討している方は是非利用していただきたい。
設定でショートカットを割り当てれば素早く読み込み作業が行なえる