記憶喪失の青年や名家の娘など、立場も性格も異なる四人の旅人が世界を救うという設定の長編ファンタジーRPG。「beginning」は、美しい女神によって平和が守られた世界「セレスティア」が舞台のファンタジーRPG。ところがある日、地上に出現することが難しいはずの魔王率いる「黄昏騎士団」が、人間の世界を襲いはじめる。騎士団が出現してから3年、セレスティアの半分以上の領土は、あっという間に魔王に支配されてしまう。
ほとんどの勢力を失い、魔王に対抗する術のない人間陣営。しかし、最後の大勢力である王都ロードヒルの若き国王が、セレスティアの女神から神託を受ける。それは「女神の力を持つ人物を四人探し出す」こと。万策尽きた王は、女神の言葉にしたがって四人の人物を王国に招聘するための招待状を作成する……。
王都に招聘されるのは謎の青年、ルシア、アクセル、フレイドの四人。謎の青年は記憶をなくし、ただひたすら旅を続ける。ルシアは、名家の生まれながら、自分の能力不足や出来のよい兄との比較から逃れるため、家を出た少女。アクセルは、過去の魔王襲撃の際に英雄と呼ばれるほどの活躍をしたものの、いまは家族を失い、教会で牧師として働く男性。フレイドは、魔王に支配された北国で、「同族殺し」の罪により人間からも逃亡する青年だ。
オープニングイベントが終了すると、キャラクタ選択画面が表示される。プレイヤーは、旅の理由も性格も異なる四人の中からキャラクタを選択し、それぞれが王国に到着するまでの冒険を楽しむ(「beginning」は現在、体験版という位置付け。魔王との決戦までは、今後リリースされる本編の登場まで待つことになりそうだ)。
ゲームの特徴は、なんといっても魅力的なキャラクタたち。謎の青年は、少しおっとりとした優しく素直な人物。一方、少女ルシアは口が悪く、頭より先に手が出る直情派だ。経験豊かで唯一の大人であるアクセルは、女好きの借金持ちながら、少年の心を忘れない若々しい中年。そして犯罪者として追われるフレイドは、一見物腰はやわらかだが、笑いながら物騒なことを口にする皮肉屋だ。
各キャラクタのストーリーには、ちょっと天然ぼけな根暗青年や、押しの強すぎるオカマなど、個性的なサブキャラクタも登場。四人すべてのキャラクタのイベントを終了すると、いよいよ四人が出会う王都へとストーリーが移行する。
忘れてはならないのが、キャラクタごとに設定された「サブウェポン」システム。サブウェポンは、主人公たちが手に入れる武器や道具のこと。通常装備は戦闘画面でしか利用できないが、通常装備とは反対に、サブウェポンはダンジョンなどのマップでしか利用できない。例えば、メイン主人公の場合はストーリーの途中で「投げナイフ」を手に入れられる。このイベント以降、街中やダンジョン内でいつでも前方に投げナイフを飛ばせるようになる。ルシアの場合は、時間差で爆発する爆弾が利用できるなど、キャラクタごとに利用できるサブウェポンは異なる。
ダンジョン内で先に進めない場合は、手が届かない場所にあるスイッチを投げナイフで起動するなど、サブウェポンを使用すると先に進めることがある。ダンジョン内の仕掛けには、ただ起動させるだけでは先に進めないものも多い。暗号を解いたり、パズルのように仕掛けを起動する順番を考えたりする必要があるので、単調になりがちなダンジョン探索も楽しくプレイできる。
ゲーム後半、四人のパーティが揃ってからは、パーティの先頭キャラクタを自由に変更することが可能。全面に出す能力を入れ替えながらプレイできる。
戦闘は一般的なターン制。1ターンで敵と味方が各1回ずつ行動を起こせる。装備した武器での通常攻撃のほか、魔法や必殺技などを発動できるスキルなどを利用することが可能。スキルは最初、一つしか覚えていないが、「紋章」アイテムを装備すれば、攻撃魔法や回復技術、必殺技などの新しいスキルを簡単に覚えられる。1キャラクタは、最大2個までの紋章を装備できる。
現在、「beginning」は体験版だが、実際のゲームでは紋章を装備してスキルを使い続けることで、紋章なしでもスキルを発動することが可能になるという。特定の紋章を複数キャラクタで使い回したり、一人のキャラクタが2個以上の紋章スキルを利用したりできるようになるなど、プレイの幅が広がるだろう。