盗賊ギルドに所属する少年と少女が織り成すファンタジーRPG。個性的なキャラクタや美しいグラフィック、カードによるバトルなどが特徴。「女神の涙TRUE -序編-」は、盗賊ギルドに所属する青年「セイル」と、幼なじみで仕事仲間でもある聖術使いの少女「シーナ」の物語。セイルは、世界の中心ともいえる帝都・ジェノシードで盗賊として働いている。しかし、仕事の失敗や趣味のナイフ購入などにより、生活費にも困る羽目に。そこで、夜はギルドの仕事人として盗賊稼業を続け、昼は便利屋としてお金を稼ぐという苦肉の策に出る。
物語は「主人公が街の人々から依頼を受け、依頼を解決すると1シナリオをクリア」といった流れで進む。ユニークなのが「次にプレイするシナリオをプレイヤーが選択できる」こと。ひとつのシナリオが終了すると、「本」が並ぶ「シナリオ選択フィールド」に移動し、次のシナリオの「本」を選べる。青い本がすでに終了済み、赤い本が選択可能なもの、そして灰色の本がまだ選択できないシナリオとなっている。メインストーリーに関わる本は全部で24冊。難攻不落の宝珠「レフィリアの涙」を巡る争いに主人公が巻き込まれるという内容だ。
ゲームクリアには関係のない「サブシナリオ」も24種類用意されている。特定のイベントをこなすことで、選択できるようになる。本が赤くなっていれば、並んでいる順番に関係なく、自分が好きなものをプレイできる。
「女神の涙TRUE -序編-」は飽くまでも「序章」のため、ゲーム内では12種類のシナリオしか選択できない。48シナリオすべてをプレイしたい場合は、「本編」(シェアウェア)の購入が必要になる。
「女神の涙TRUE -序編-」の最大の魅力は、なんといっても小説を読んでいるように盛り上がるストーリーと、セイルとシーナの関係だ。二人を巡る個性的な人々との掛け合いも楽しい。シナリオをクリアしていくごとに少しずつ主要メンバーが登場し、徐々に全貌が見えてくる。ゲームに登場するキャラクタの数は多いが、混乱することなくスムーズに物語に入り込める。
グラフィックの美しさや芸の細かさも大きな魅力だ。オープニングやイベント時には美しい一枚絵が惜しみなく使用され、ストーリーをいやがおうにも盛り上げてくれる。さらに、キャラクタの会話時に表示される人物絵は、喜怒哀楽に合わせて表情が変わり、感情移入しやすい。シナリオ終了時にアニメのアイキャッチのような一枚絵が表示されるのも凝っている。
忘れてはならないのが、オリジナルのバトルシステムだ。一般的なRPGと異なり、「女神の涙TRUE -序編-」ではカードバトルで戦闘を行う。敵と味方が手に入れられるカードは「攻撃」「大技」「防御」「回避」「聖術」の5種類。大技は剣による必殺技。聖術は攻撃や回復などの魔法だ。カードは、敵味方にランダムに配られるので、配られたカードから3枚を選択して相手のカードと対戦させる。カードにはそれぞれ「1」から「4」までの数字が書かれており、数字が大きな方が有効となる。例えば、敵が大技の「3」、自分が攻撃の「4」の場合は、敵は攻撃に失敗をし、自分は相手に攻撃を加えられる。
敵が使用する3枚のカードは、フィールドに裏向きに表示される。カードの裏面の色で、敵の選択したカードを予測することも可能(青は攻撃、赤は大技、緑はそれ以外の可能性が高い)。そのほか、場に出ているカードに「4」が入っている可能性が高い警告ランプも用意されている。相手の行動を予測できれば、行動に合わせたカードを切れるため、戦闘を有利に進められる。ただし、飽くまでも「可能性」であり、必ずしも敵の手札が上の条件に当てはまるわけではない。主人公の敏捷性を強化することで、予測の信頼度を上げられる。