一見、非常に単純なデータ管理ソフトなのだが、機能を「冷蔵庫の管理」に限定したために、意外に便利で、ユニークなソフトに仕上がっていると思う。最近は家庭の冷蔵庫もすごく巨大化しており、どの家庭にも奥の方には、いつの間にか賞味期限が過ぎて腐っている食材があったりするものだ。かゆいところに手が届くという感覚で、使ってみようと思う人は多いのではないだろうか。特に「賞味期限」までの残り日数を色で表したり、賞味期限切れを起動時にアラームしてくれるのは、とてもよいアイデアだと思う。
パソコンソフトで家計簿をつけている人なら、食材を購入したときに、家計簿ソフトにつけるついでに「デスクトップ冷蔵庫」にも入力するように習慣づければ、つけ忘れがなく、安心だろう。ただ、そのためにも、SYLK形式やCSV形式といった基本的なデータ形式のファイルをインポートする機能があると、もっと便利なのではないだろうか。
また、リスト作成のための入力ダイアログでは、一度入力した食材名がプルダウンメニューに自動的に登録される。自宅の冷蔵庫の中身を見ても、日常的に使う食材は意外と種類が限られているものだ。そういう意味で、牛/豚/鶏の肉や牛乳、卵、バターなど、決まったものがリストから選べるのは、手間が省けてうれしい。同様に、購入日と賞味期限をカレンダーからワンクリックで選択できるのも◎。
アイコンはいわばオマケの機能だが、カラフルな食べ物のアイコンをいろいろ使うことで、楽しみながら食材リストの管理ができそうな気がする。もちろん問題は、食材を効率的に使う知恵と、ほんの少しの勤勉さなのだろうが。
(坂下 凡平)