「まりメール」は、メールサーバを経由することなく、他のパソコンのユーザと直接、メッセージ交換を行うことのできるLANメッセンジャー。メイン画面は、一般的なメーラと同様の3ペインの構成で、メッセージの返信や転送、アドレス帳への登録といった操作もメーラと似ているため、電子メールを利用している人であれば、はじめてでも簡単に使える。自動振り分け機能はないが、サブフォルダを作成して、メッセージを階層管理することも可能だ。

メッセージの送信は、アドレス帳に登録された「まりメール」ユーザに対して行える（メッセージ作成中にアドレス帳へ登録することもできる）。アドレス帳への登録は、相手の名前、フリガナ、IPアドレスまたはホスト名を入力するだけ。件名と本文の入力、送信先の指定はもちろん、本文への署名の挿入やファイルの添付も可能で、いずれも一般的なメーラと同様の操作で行える。複数の送信先を指定した同報送信も可能だ。送信前に、相手が「まりメール」を起動しており、メッセージを受信できる状態にあるかどうかを調べる機能もある。

起動するとタスクトレイに常駐し、メッセージを受信した場合は、着信音、タスクトレイアイコンの点滅、着信画面の表示で教えてくれる。メッセージの返信もメーラと同様で、（自分が複数の送信先に含まれていた場合の）全員に返信や、転送も行える。メッセージの既読/未読状態の変更も可能だ。なお、タスクトレイに表示されるアイコンは、初期設定の「まりメール」を含めて6種類が用意されており、好みで変更できる。

一般的なメーラを使い、メールサーバを経由させてやりとりすると、システム管理者に読みとられるおそれがあるが、これならまずわからないだろう。すべてのパケットを記録・モニタリングされたらおしまいなのだが、どうしても秘匿したい情報であれば、少なくともメールソフトを使うよりはよいだろう。

もともとクローズドな環境で使う簡易メーラではあるが、IPアドレスさえ判明していればインターネット経由であっても利用できる。ただ、途中にファイアウォールがあったりすると、送受信がうまく行かないケースもあり得る。欲をいうなら、特定の範囲のIPアドレス内で起動している「まりメール」クライアントを検索してくれる機能があるといいと思った。アドレス帳への登録時に、いちいちIPアドレス・名前を調べて、という手間が省ける。

開発中に苦労した点
ソフトの名前を何にしようか悩みました。(^^;

ユーザにお勧めする使い方
プライベートなメールシステムとして、学校や会社内での秘密の連絡にどうぞ。ユーザによっては、イントラネットメールシステムとして業務利用している方や、某市内の小学校全体でメール練習ソフトとして教育に使われているところもあります。

ひとこと
このソフトの公開によってソフトの企画、開発からユーザサポートに至るまでを経験し、ソフト作成に利用者の声がいかに大切かを思い知りました。狭い部屋の片隅でコツコツと作ったプログラムでも、インターネットで公開すると全国に流通するんですねー。あたりまえのことですが、全国の利用者からメールを頂き、身をもって感じます。