フローティングツールボックスなどを廃したユニークなインタフェースのペイントソフト。レイヤ機能では、レイヤごとに大きさや位置を自由に設定することが可能。「Matilda」は、テキストエディタのようなすっきりとした画面構成が印象的なペイントレタッチソフト。“できるだけ全画面を使って、描画できるように”などの理由でフローティングツールボックスを廃し、スクロールバーも持たない。そのため、一般的な同種ソフトに比べ、操作方法が非常にユニークなものとなっている。
例えば、使用する色の選択は、HSV形式のダイアログで直接色を指定して行えるほか、ツールバーの「H」「SV」ボタンをクリックしてポインタを左右に振ることで、それぞれの値を上下させて指定する。この「ボタンをクリックしてポインタを左右に振ることで、設定値を上下させる」という操作は、ペンの太さや濃さを変更する場合も同様だ。
ペンタブレットに対応しており、筆圧の変化で濃度や色、描画時の線の太さなどを変えることが可能。これらのON/OFFは、ツールバーのトグルスイッチで設定する。
さらにユニークなのが、ブラシや消しゴムなどのツールをそのつどマウスの左右ボタンなどに割り当て、これを切り替えながら使用する点。例えば、2ボタンマウスを使っており、左ボタンにエアブラシ、右ボタンにハンドスクロールを割り当てたとすると、右ボタンのドラッグで視点移動を行い、目的の位置に移動したら、左ボタンドラッグで即座に描画を開始する、といった操作が可能になる。
ツールは、エアブラシ、消しゴムなどの「描画系」、ハンドスクロールなどの「視点移動系」、NewLayerRect(新しいレイヤを作成する)などの「レイヤ系」、LightBrush(現在の色を明るくする)などの「レタッチ系」の4系統、計20種類が用意されている。
対応するデバイスは2ボタンマウスのほか、3ボタン+ホイールマウス、ペンタブレット、ペンタブレット+サイドスイッチの4種類で、例えば、3ボタン+ホイールマウスなら4種類のツールをそれぞれに割り当てることができるわけだ。
レイヤは、コピーや上下移動、合成などを行えるのはもちろん、不透明度の設定、加算・減算などの重ね合わせも可能。レイヤの大きさや位置を自由に変更することができる点もユニークだ。Susie Plug-inに対応し、静止画を読み込んで、新しいレイヤを作成する機能もある。
フィルタは、明度、彩度、カラーバランス、ぼかしといった一般的なものから、タイル、チェック模様といったものまで、さまざまなものが用意されている。