Windowsには、画面のプロパティや各種オプションで設定することにより、外見や動作を変更できる機能がある。しかし、これでWindowsが持つすべての設定を行えるわけではない。一部には「レジストリデータベース」と呼ばれる情報を直接操作することでしか行えないものもある。個々のレジストリの内容は公式には明らかにされておらず、知識がなければ、通常は操作することができない。

「Windowsを2000%いじくるツール」は、このような一般に難しい設定の変更を、レジストリエディタを操作することなしに行うことのできるソフトだ。設定できる項目は「特殊フォルダ」「エクスプローラ」「デスクトップ等」「ドライブアイコン」など数多いが、関連する機能ごとにわかりやすくまとめられている上、機能説明も表示されているので、さほどとまどうことなく扱える。ユニークなところでは「フリーセル」「マインスイーパ」「スパイダーソリティア」といったWindows付属ゲームソフトのハイスコアを自由に設定できる「ゲームスコア編集」機能もある。

設定は、Windowsのプロパティ画面のようなダイアログで行うため、レジストリに関する知識がなくても使うことができる。レジストリエディタのように、間違った個所を変更してWindowsの動作に悪影響を与えてしまうようなこともない。

設定項目によっては、アイコンファイル名やそのオフセットなどを指定しなければならないことがあるが、このような場合には、ファイル中に含まれるアイコン一覧を表示する機能があるので、アイコン選択が行いやすい。また、設定によってはWindowsの再起動が必要なものもあるが、そのような場合には、設定後にWindowsを再起動する機能もある。設定変更機能のほかにも、システム環境の情報を表示する機能もある。

では、なぜこうした便利な機能が、標準の状態で設定できるようになっていないか、といえばこれにはさまざまな理由があるのだろう。例えば、一見すると正常に動いているような機能でも、特殊な条件が重なると不具合が出るとか、他の機能とバッティングしてしまうとか、そういった理由によってなかなか「正式機能」にできないのだろう。とはいえ、それらはあくまで限られた場合でのこと。動作に問題がなく、使う側さえきちんと理解していれば、こんな便利な機能を使わずにすますのはもったいない。

この種の裏技を使う上で最も大きな障害となるのは、正式ではないがゆえに情報が少ない点にある。「Windowsを2000%いじくるツール」のように情報がまとめられていれば、これらの機能を使うのに必要となる「情報収集の難しさ」というハードルは非常に低くなる。あとは使う側の認識次第というわけ。そういう意味では、非常に便利ではあるが、使う側の裏技に対する正しい認識が必要なソフトといえるだろう。