すべての小・中・高等学校からインターネットにアクセスし、あらゆる授業においてコンピュータを活用するミレニアム・プロジェクト(教育情報化対策)が、目標とする2005年に向けて急ピッチで進んでいる。私事で恐縮であるが、我が家にも5年生と3年生になる子どもたちがいるだけに、他人事とは思えない。また、最近ではテレビアニメや雑誌、それにお菓子のパッケージや缶ジュースまでURL入りだ。我が家の子どもくらいの年齢になると、ふだんインターネットに接続しないでパソコンを使うぶんには親はいらない。だが、Webとなると話が変わってくる。先日も缶ジュースに書いてあるURLにアクセスしたとたん、「これは何て書いてあるの?」「これはどういう意味?」と、爆弾のように質問を浴びせてくる。
そんなときこそ、このブラウザである。学年さえ指定しておけば、年齢に応じて漢字をひらがなにしてくれる。読める漢字を変換しないのはもちろん、表示方法が指定ができるため、変換後も非常に読みやすい。また、基本辞書で変換できない略語や人名・地名などの固有名詞には、ユーザ辞書が利用できるのもいい。もちろんフィルタリング機能は必須である。
また、HTMLタグの解析→変換対象をピックアップ→文字列の形態素解析→ひらがなに変換→タグの再構成→ふりがな付きHTML文書の作成、と、手順が多いぶん表示に時間がかかるかと思ったが、予想に反して処理も高速。少なくとも著者の環境では、ストレスを感じるほど表示に時間のかかったページはなかった。
ボタンアイコンや各種設定(管理者用は除く)は、小学校低学年の子どもだけでも十分使いこなせるよう、イラストを多用したわかりやすい設計だ。また、ヘルプも非常に丁寧で、通常の詳細なヘルプのほかに、子ども用には「使い方」ボタンでオンラインヘルプが用意されている。年齢に応じたツールを使わないと、楽しいはずのものまでつまらなくなる。あらためてそう感じさせられた。
(フェムス・安藤 しょうこ)