「ひとりで家計簿v」はその名の通り、はじめてでも“ひとりで”簡単に使えるよう工夫された、一覧表形式の家計簿ソフト。費目名の入力をアシストしてくれる機能や、計算式を入力すると、その場で結果を出力してくれる機能などを搭載。充実した操作ガイドも用意されている。最大9ユーザまでの家計簿を管理できる。

メイン画面は、表計算ソフトに似たデザイン。日付や費目名、支払先名、金額などを入力すると、1行（入力データ1件分）ごとに残高が表示される。画面下部にある「集計」ボタンのクリックで、1日単位での費目ごとの収支額や週合計額、月合計額などが表示される仕組み。費目ごとの予算額が設定されている場合は、その金額も表示される。

大きな特徴のひとつが、充実した入力アシスト機能。費目名や内訳、支払先などの入力エリアをクリックするとドロップダウンリストが開き、リストから選択してワンタッチで入力できるようになっている。リストにないものを入力した場合は、新たなデータとして登録するかどうかを選べる。

内訳の入力は「マトリクス選択」画面で行うことも可能。費目名と内訳の一覧表から直接、内訳を選択・入力できる。費目名とその内訳を見渡すことができ、「どんな項目がどこに分類されているか」がすぐにわかる。

入出金額の入力エリアでは、計算式を入れると、その場で計算結果が出力される。金額または計算式の末尾に%記号または*記号を付けると、消費税額を上乗せした金額が出力されるようになっている。

銀行や郵便局などの口座は、1ユーザあたり最大20件までを登録することが可能。メイン画面の一覧表は口座ごとに表示される。表示口座を切り替える場合は、「口座」ボタンのクリックでポップアップするリストから口座を選択すればよい。

そのほかにも、

• 入出金データの印刷
• 日記の入力
• データのバックアップと復元
• 旧バージョンのデータのインポート

シンプルにまとめられているせいか、“超多機能”といった感じのソフトではないが、その一方で「マトリクス選択」をはじめ、入力アシスト機能についてはかなり力が注がれている。単価×数量といった式を入力すると、計算結果が出力されたり、金額の末尾に%記号をつけると、消費税込みの額になったり（100%または100*と入力すると105と書き込まれる）といった細かい配慮がうれしいが、それを電卓画面などを呼び出さず、直接入力できるところに、見た目よりは実質的な使いやすさを重んじる姿勢が伺われる。

「家計シミュレーションのような機能はいらないので、とにかく毎日きちんと家計簿をつけたい」という人にお勧めしたい。

パソコンで使う家計簿ソフトには、（文具店で売られているノートタイプの）家計簿帳に比べて、「計算や集計が簡単・正確にできる」とか「書き直しが簡単にできる」といった利点がたくさんあります。しかし、もし家計簿ソフトが難しくて使いこなせない、あるいは難しそうで使う気が起こらないとしたら、これは（どんなに高機能なソフトであっても）宝の持ち腐れになってしまいます。また、何とか使ってはいるが、これなら家計簿帳に書き込んだ方がはるかに便利だ、というのでは、笑い話にもなりません。

ほとんどの人が簡単に使いはじめられ、そして、いつまでも抵抗なく使うことができる──そんなソフトこそが「ひとりで家計簿」シリーズが追い求めている理想のソフトです。

開発中に苦労した点
「家計簿」や「現金出納」をある程度、高度に使用する場合、「項目名」の入力が、非常に重要になってきます。これは、あとで仕訳する場合にも、集計する場合にも、「項目名」がキーになるためです。ところが、実際には「項目名」に何を入力すべきかは、会計の心得がないとなかなか難しく、これを一般のユーザがどうやって入力すべきかは、なんとしても解決したい難問でした。「ひとりで家計簿v」（Ver.5.0以降）では、内訳名を先に入力する機能（マトリクス選択）により、この問題を解決しています。ぜひ、この機能をご活用ください。

また、「ひとりで家計簿v」での大幅な改造のために、旧バージョンとの互換性を維持することにも苦労しましたが、最終的に「オプション設定」の各項目の設定により、旧バージョンのユーザの方も違和感なく移行できるようになったと思います。

今後のバージョンアップ予定
「ひとりで家計簿v」（Ver.5.0以降）は、それ以前のバージョンからの大幅な改造であったため、有償のバージョンアップになってしまいましたが、今後は新機能を搭載したバージョンをできるだけ無償で、ユーザのみなさんのご意見を参考にしながら発表していきたいと考えております。

ユーザにお勧めする使い方
まず、「日付」と「金額」だけ入力して使ってください。それでは「家計簿」にならぬとお思いなら、「項目名」やその他の欄も使ってみてください。入力する順序はまったく意識せず、手元にある伝票を適当に入力してゆけば、終了時に日付順に並び替えられます。つまり、「このように使わなければならぬ」という規則は何もありません。最初は簡単な機能だけを使い、慣れてきたら次第に高度な機能を使うようにするとよいでしょう。また、家計簿や小遣い帳としてだけでなく、店舗や小規模な企業では、「現金出納帳」や「銀行勘定帳」としても十分にお使いいただけます。