「戒名作成」はその名の通り、戒名（法名、法号）を作成するためのソフト。一般に戒名は、院号、道号、戒名、位号といった要素で構成される。「戒名作成」では、解説文を読みながら、要素別に用意された候補から順番に選んで、戒名を作ることができる。要素を組み合わせて作った戒名は、画面上の「位牌」の上に表示される仕組み。院号、戒名などに適した熟語や文字案、さらには有名人の戒名が豊富に収録されている。

戒名の作成は簡単。（1）まず、一般に戒名を構成する要素──俗名（省略可）、院名（年号や業績など）、院号（院・院殿など）、道号（趣味や職業、人柄など）、戒名（名前の本体）、位号（「居士」「大姉」など）──をそれぞれ指定する。（2）次に、これらを組み合わせてできた戒名の文字を、画面上の「位牌」で確認する。（3）必要により、文字を部分的に編集するなどの調整を加えて、作成は完了。それぞれの要素は、本体に収録された候補リストから選択することが可能。ユーザが直接、キーボードから入力してもよい。

収録された戒名の要素候補はきわめて豊富。

• 院名：624種類
• 院号：院、院殿、軒、斎、舎、堂、園、房の8種類
• 道号：約224種類、道号によく使用される漢字：84種類
• 戒名：約224種類、戒名によく使用される漢字：448種類
• 位号：居士、大姉、信士、童子など、28種類
• 上文字（位牌の最上部に入る梵字・冠字）：6種類

メイン画面は、

• 名前の要素順に並んだ設定パネル
• 指定した文字を確認するための「位牌」
• 要素ごとの候補を並べたリストや「解説文」を表示する部分

一般的に戒名の作成は、日ごろから付き合いのある寺院に頼むか、葬儀社を介して僧侶に依頼するのが日本の伝統的な風習だった。戒名の代金として高額を要求されるという不満から、最近は本人が「生前戒名」をつけたり、気に入った言葉が含まれる戒名を決めたりするケースもあるようだ。実際には専門職に頼むとしても、家族からの希望を伝えるときの下調べ用としても使えるだろう。

実際につけられた戒名を見られるのも参考になる。「参考表示」機能では、有名人の戒名がひとりずつランダムに表示される。ちょうどスライドショウのように、一定時間で自動的に切り替わるが、一時停止や一つ前の表示などの操作も可能だ。

作者・コテックス（株）は、法要サイト「蓮の花」を運営しており、サイト上には法要と戒名に関する詳しい説明も掲載されている。「戒名作成」で作成した戒名が刻まれた「位牌」を、サイトから申し込むことも可能だ。

そこで「自分に合った戒名は自分で命名しておこう」というのがこのソフト。戒名に使われる語句、漢字は主に経典から取られているので、その収集に時間がかかり、使い勝手がよいように極力、選択式にしたところが面倒なところでした。発表以来、多くの人たちからアドバイスがあり、すぐにVer.2に改良しました。

まずは、著名人の戒名の表示を楽しんでください。字数が多くて難しそうな戒名より、その人柄を表現しているユニークな戒名こそ持つべき戒名だと思うのですが、いかがでしょうか。