「おぼえる、百人一首タイピング」は、“和歌を覚えることを目的とした”ゲーム形式のタイピング練習ソフト。プレイヤーは、上の句の冒頭から一文字ずつ表示される和歌の下の句を入力すればよい。下の句の部分になると、和歌の文字（ひらがな）にローマ字が併記され、タイプすべき文字が示される。和歌の詠み上げ機能もあり、百人一首のかるた取りをしているような雰囲気で楽しめる。

用意された練習モードは「下の句タイピング」「決まり字タイピング」の2種類。「下の句タイピング」は、上の句に続く下の句をすばやくタイピングすることが目的のモード。最初のうちは、画面の文字（またはローマ字）を見ながらタイプしてもよいが、下の句を覚え、句の表示が開始されてなるべく早いうち（下の句の表示がはじまる前）にタイプできるようになりたい。

1回の練習が終わると、タイプ速度（回/秒）、（画面表示から入力を開始するまでの）入力開始遅延（秒）、訂正タイプ数（回）などの成績が表示される。練習の履歴は自動的に記録され、成績の推移は折れ線グラフで確認される。

「決まり字タイピング」は、決まり字（和歌を特定する頭の数文字）を覚えるためのモード。冒頭の数文字を見て（聞いて）、間髪を入れずにタイプできるように練習する。下の句の先頭2文字をタイプした時点で完了（正解）となる。

1回の出題数は5/10/50/100首。入力モードはローマ字入力」「かな入力」から選択できる。問題文の和歌をランダムで表示させるか、覚えるまで同じ和歌が出題されるようにするかも選べる。さらに、琴の演奏によるBGMや効果音（打鍵音や場面切り替えのチャイムなど）の音量を指定することも可能だ。

百人一首かるたは、上の句からの詠み上げを聞いて、下の句が書かれた札を取るのが基本的なルール。したがって百人一首の練習としては、「入力開始遅延」の時間をなるべく短縮させることがポイントになる。逆に、百人一首をすでにマスターしている人にとっては「和歌の知識を復習しながら、タイピング練習をする」という使い方もできる。

開発中に苦労した点
遊ぶ人がなるべく「イライラ」しないソフトになるよう気をつけました。知人にソフトを使ってもらって感想を聞き、画面のデザインや遊び方を紹介したWebページを作り直したりしました。また、C++プログラミングの勉強も兼ねて開発を行ったのですが、ゲームの状態遷移やGUIコンポーネントのAPIが、だんだんと複雑になってしまうのに苦労しました。この開発を通して、仕様を書くことの大切さを再確認させられました。

ユーザにお勧めする使い方
500円くらいの百人一首の本を用意しておき、タイプした和歌の内容を調べたりしつつ、まったりと遊ばれることをお勧めします。タイピング練習ソフトですが、タイプを急いだりせず、落ち着いた時間を過ごしていただければ幸いです。

今後のバージョンアップ予定
バグへの対処は永続的に行いますので、バグを見つけられた方はお気軽にお知らせください。また、現在はFlash版を開発中です。Flash版では和歌の詠み上げ機能を削る代わりに、他人の過去データとの対戦モードを実装しようと思っています。