「Mery」は、充実した機能と使いやすさとをあわせ持つ、“簡単・便利”なテキストエディタ。動作も軽快で、高機能・多機能ソフトにありがちな煩雑な設定を極力排除し、すぐに使いはじめられるよう配慮されている。Unicodeに対応するほか、正規表現による検索・置換も可能。JScript（JavaScript）/VBScriptに対応したマクロも利用できる。

インタフェースには、SDIとTDI（タブ型：Tab Document Interface）の切り替え方式を採用。初期状態はSDIだが、設定でタブ型にもできる。文字の折り返しは「折り返さない」「指定文字数で折り返し」「ウィンドウの右端で折り返し」をワンタッチで切り替えることが可能。ルーラのドラッグ＆ドロップで折り返し位置を変えることもできる。

編集機能としては、切り取り、コピー、貼り付け、削除といった基本的なものはもちろん、引用付きコピー、Undo/Redo、日付と時刻の挿入、（指定行への）ジャンプ、タグジャンプなどの機能も備える。範囲指定では矩形選択も可能。指定範囲への改行の挿入や削除、大文字⇔小文字変換、全角⇔半角変換なども行える。

文書内検索では正規表現を使用することが可能。ヒットした文字列はハイライト表示される。置換では選択範囲だけを対象とすることもできる。さらに「ファイルから検索する」（Grep）ことも可能。文書内の選択文字列をキーにして「Google」や「Yahoo!辞書」で検索を行うこともできる。

表示のカスタマイズも可能。URL、カーソル行、行番号、ルーラ、強調文字列などの文字色や背景色を設定できる。また、テキスト、HTML、各種プログラミング言語ごとに色分け設定された編集モードが用意されており、編集モードを選択するだけで色分け表示を行えるようになっている。編集モードは拡張子と関連付けることが可能だ。

編集中の文書をアウトライン解析して、ツリー表示する機能もある。アウトライン枠は文書枠の右または左に表示させることができ、アウトライン枠の見出しをクリックすると、本文のカーソルをその位置にジャンプさせることができる。

そのほかにも、

• 同一ファイルの上下画面分割
• キーボード入力を記録・再生するキーボードマクロとJScript/VBScriptによるマクロ
• プログラミング言語の予約語や文書内の単語を候補とする入力補完
• クリップボード履歴
• ブックマークの設定
• XML整形
• プラグインによる機能拡張
• カラー印刷

これだけの機能を備えていると、それぞれの機能を充実させようとして、あまり実用的でない部分にまで踏み込んだ「スペック地獄」に陥ってしまうケースがままあるが、「Mery」では実用上、必要でないものはきっぱりと捨て、あくまで使いやすいものに絞って仕上げている。結果的にプログラムサイズがあまり大きくなく、またレジストリも使用しておらず、使い勝手のよいソフトになっている。

バランス感覚に優れた、いいテキストエディタだと思う。

「Mery（メリー）」は、クセのない見た目と操作感がポイントのテキストエディタです。「シンプルでわかりやすく、かわいらしく、デスクトップにぽつんと置いてあっても美しいテキストエディタ。それでいて基本的な機能を押さえ、かゆいところに手が届く」──そんな思いを胸に、初心者から上級者まで気軽に使えるテキストエディタを目指して開発しました。

「インストールって面倒……。多機能なのはいいけれど、設定画面がいっぱいあって難しそう……」。そんなあなたのためにインストールは簡単、解凍するだけ。また、「Mery」本体にはテキストエディタとしての基本的な機能のみを搭載し、さまざまな拡張機能はマクロやプラグインとして対応していますので、利用者のレベルを問わず必要に応じて導入することで、用途に合った使い方ができるようになっています。

毎日日記を書くもよし、料理のレシピを書きなぐるもよし、ラブレターの下書きに使うもよし。色分け機能でHTMLの編集、プログラミング言語の記述も快適に行えます。Unicodeに対応していますので、他国の記事を簡単にメモすることもできます。タブ機能を備えていますので、画面を複数起動しても迷子になりませんし、キーボードの操作を記録できるマクロ機能を使えば、単調な繰り返し作業があっという間に終わってしまいます。

もちろん、上級者の方にも満足していただけるように、今後もblog（Haijin Boys Online）等に寄せられるご意見を可能な限り取り入れながら、より便利で、楽しく使っていただけるテキストエディタを目指したいと思います。