定評のある変換精度を一層高め、Mac OS X 10.5 Leopardにも対応した“定番”日本語入力システム。新たにインターネット上の情報を直接検索できるWeb連携機能「ATOKダイレクト」などが追加された。「ATOK for Mac」は、さまざまな機能により快適な日本語文書作成環境を実現する日本語入力システム。基本的な単語・用語変換の正確さに加え、入力操作を楽にする入力支援機能、言葉使いや文法の誤りを指摘する校正支援機能が充実しており、正しい日本語を使った文書を手軽に作成できる。新バージョン「2008」では、Leopardへの最適化、「ATOKダイレクト」の追加のほかにも、「ATOKハイブリッドコア」の強化などが図られた。
入力支援機能では、新たに「次候補連動変換」が搭載されたほか、「細切れ学習」「確定アンドゥ」などが強化された。「次候補連動変換」は、連文節変換での入力中に、フレーズの前の文節で単語を確定すると、後の文節も連動して同様に自動変換されるもの。例えば、数詞を半角数字で入力している場合、前の文節の数詞を半角で確定すると、同時に後ろの数詞も半角に変えてくれる。「細切れ学習」は、一度の変換では文字区切り位置の変更が必要だった単語を、細切れに変換しながら確定することで、次回から“文字区切りも含めて”学習する機能。「確定アンドゥ」では入力確定の直後に、変換確定の前の状態に戻って変換前の文字を修正できる。
校正支援機能も充実している。間違いやすいカタカナ表記の誤入力や、「ら抜き」「二重敬語」「謙譲語と尊敬語の間違い」「慣用句・ことわざの誤り」「助詞の連続使用」など、文法的な問題点を見つけて指摘してくれる。うっかりした間違いや思い違いによる誤用を事前に防げる。
変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」の機能強化は、新バージョン「2008」での大きな変更点のひとつ。変換がより自然になり、精度も向上した。さらに、従来は特別な「話し言葉モード」でサポートされていた話し言葉やくだけた表現が、「一般モード」でも変換できるようになった。話し言葉の語彙も増え、変換精度も向上した。名詞同士のつながりや、動詞と目的語(名詞)の関係など、文脈を判断した上で変換語を決定する「共起用例による訳し分け」機能も強化された。
「2008」で追加された「ATOKダイレクト」は、Webサービスや他のアプリケーションと連携して変換候補を検索する機能。従来のバージョンでも、辞書や百科事典、専門用語集などの“Mac上に導入したデータ”をATOKから利用することはできたが、「ATOKダイレクト」はこれを拡充し、Web辞書サービスやキーワード検索サービスなど、“インターネット上にあるデータ”を同じ操作で利用できるようにしたもの。使い方は簡単。調べたい語句を入力して変換操作を行うことで、変換候補ウィンドウ横に開く「ATOKダイレクト解説ウインドウ」に詳細な意味や解説が表示される。Webブラウザと連携して、データ提供元のサイトを直接開くことも可能。ATOKダイレクトの機能はすべてプラグインとして提供され、現時点では「ATOKダイレクト for はてな」が用意されている。今後、新たなプラグインも登場する予定だ。
そのほか、標準搭載の辞書に「環境問題」「エコ関連用語」「気象用語」など、最近注目のタイムリーなジャンルの用語が重点的に強化されている点なども注目だ。