1年半振りにメジャーなバージョンアップとなった「EmEditor Professional」のVer.7は、「EmEditor」史上最大の更新といっても過言ではないでしょう。Ver.7の最も大きな特徴は、一段と高速になり、巨大ファイルの編集にも最適化したことです。エンジニアやサーバ管理者なら、XMLファイルやCSVファイル、あるいはWebサーバのログなど、巨大ファイルを扱う必要に迫られることがあります。そういった場合に、今回のバージョンは威力を発揮します。
従来は、サイズが大きくなるほど使用メモリが大きくなり、コンピュータの仮想メモリのスワップによって動作が遅くなるという欠点がありました。そこで、Ver.7では、テキストエディタの基本設計を根本的に見直すことにより、巨大ファイルを開いているときでも、使用メモリは大きくならず、安定した動作が可能となりました。
Ver.7.00.1では、1GBのメモリを搭載した標準的なコンピュータでも、実に248GBまたは21億行までのファイルを開くことができるようになったのです。さらに、巨大ファイルを開く速度を最適化し、従来のバージョンよりも一段と速く開けるようになりました。作者の実験では、809MB(1,000万行)のANSI(英数字のみ)ファイルの読み込みにかかった時間は、Ver.6では3分54秒でしたが、Ver.7ではたった13秒で開けるようになりました。
しかも、新しいマルチスレッドデザインにより、ファイルを読み込んでいる間でも文書を表示することができるようになりました。さらに編集中、検索・置換、文字列の挿入や削除など、時間がかかる操作を行っても、進行状況を表示するウィンドウが表示され、ほとんどの場合で操作を途中キャンセルできるようになりました。大きなファイルではなくても、ファイルのオープン、編集、保存、検索・置換など、日常使う動作が全体的により高速になりました。特に改行文字や正規表現を含む置換では、動作速度が著しく向上しています。
その他の特徴として、「検索バー」「HTMLバー」「プロジェクト」「単語補完」といった新しいプラグインを追加しました。この中で「検索バー」「HTMLバー」は、カスタムツールバーを他のツールバーのように表示できるよう、新機能を使用しています。マクロは、キー入力とマウス操作の記録と再生もできるように改良されました。また、「EmEditor」のさまざまな設定を変更できるようにするため、マクロ用の新しいオブジェクト、プロパティ、メソッドを大幅に追加しました。さらに「マクロツールバー」が利用できるようになり、お気に入りのマクロをツールバーのボタンに割り当てることができるようになりました。
そして、持ち運びに便利なようにUSBメモリへのインストールが可能となり、共有しているパソコンでもレジストリを変更することなく利用できるようになりました。ただし、動作速度は通常のインストールより若干遅くなるため、可能な限り通常のインストールを行うことをお勧めします。さらに、フリーカーソルモード、折り返しインデント、スムーズスクロール、ユーザ定義メニュー、2ストロークショートカット、各タブ上の「閉じる」 ボタン、ワークスペースの自動保存、色の設定のテーマ、透明色、イベント駆動マクロ、異常終了時の自動復元など、(細かいですが)多くの機能を追加しています。詳しくは、「EmEditor」ホームページの「EmEditor Professional 7の特長」(http://jp.emeditor.com/modules/feature1/)をご覧ください。
以上のように、Ver.7では大きな更新を行いましたが、これで終わったわけではありません。今後もユーザのみなさまのご意見を承って、よりよいテキストエディタとして成長させていきたいと考えておりますので、これからもみなさまのご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。
最後に、ソフトウェアのライセンスを他人と共有することは法律で禁止されています。「EmEditor」の開発を今後も継続していくためにも、正しく必要な正規ライセンスを購入してご利用いただけますようお願い申し上げます。
(株式会社エムソフト)