「comono ImageViewer」は、画像を見ることだけに特化したシンプルな外観の画像ビューア。表示関連の設定項目が豊富に揃い、Windows Vista/XP標準の画像ビューアに比べ、よりスピーディに、見たいところだけを確実に表示させることが可能。対応する画像形式はBMP/GIF/JPEG/PNG/TIFF。

メイン画面には、一般的なWindowsアプリケーションに見られるようなメニューバーやツールバーなどはない。普段の使用時には、画面をできる限り広く使えるようになっている。さらにウィンドウを最大化した状態では、タイトルバーやウィンドウ枠の表示も消え、画像が画面全体に表示される。機能は、キーボードショートカットか右クリック（コンテキスト）メニューから呼び出す。

インストール時に、対応する画像形式の拡張子が「comono ImageViewer」に関連付けられる。画像を開くには、ファイルをダブルクリックするか、「comono ImageViewer」のウィンドウへにドラッグ＆ドロップすればよい。画像は1ウィンドウに1枚が表示される（スライドショウを除く）。一度画像を表示したウィンドウは、ユーザが手動で閉じない限り、別な画像ファイルに切り替わることはない。キー操作で最前面表示のウィンドウを切り替えることも可能で、複数の画像を容易に渡り歩けるようになっている。

表示モードには通常モードのほか、スライドショーモードがあり、画像を開くときの挙動は、

• 通常は常に等倍表示で開き、画像サイズに合わせてウィンドウサイズが変わる
• スライドショーモードでは、画像全体が表示できるように画像を縮小し、ウィンドウサイズもそれに合わせて変わる（全画面表示の際は小さな画像はディスプレイに合わせて拡大も行う）

サイズが大きく、画面内に収まらない画像ではスクロールが利用できる。マウスの左ドラッグで画像を滑らせる（いわゆる「手のひら」モード）ことができるほか、キー操作や、マウスホイールでスクロールさせることも可能だ。90度単位で画像を回転させることもできる。また、Exifに縦横の位置情報が含まれている場合には、画像を回転した状態で表示してくれる。

表示された画像をファイル保存する機能もある。「元画像をそのまま保存する」か「回転や拡大縮小処理をしている場合に見たままの状態を保存する」かを選択できる。

同一フォルダ内にある画像ファイルを単一ウィンドウで切り替えて、スライドショウ表示させることも可能。画像送りはユーザが手動で行う。スライドショウ時にも、画像の回転や拡大・縮小、ファイル保存などを行える。

そのほか、画像情報の表示やクリップボード内の画像取り込みなども可能。クリップボード内の画像取り込みと保存機能を併用すれば、クリップボードにコピーされた画像をすばやくファイル保存することも可能だ。

にもかかわらず“シンプル”という表現を使ったのは、あくまで外見上に限ってのことだ。実際、画像を表示している状態ではタイトルバーとウィンドウ枠しか表示されていないわけで、それらでさえも、Windowsが標準で表示しているものだ。つまり「comono ImageViewer」自身が表示している要素は何もないわけで、これ以上の“シンプル”さはない。

だが、画像ビューアの真の目的を考えてみよう。そもそも画像ビューアとは、画像を表示することが最大の目的であるわけだから、画像が表示されるエリアを最大限に取るのが「正しい道」ではないのだろうか。Windowsの場合、XPにもVistaにも標準で画像を表示するビューアはあるが、いずれも（ややもすれば余計な）ボタン類が表示されており、狭い画面でははっきりいって邪魔だ。さらに複数の画像を表示しようと思っても、すでに開かれているビューアウィンドウで勝手に表示されてしまったりなど、なかなか思うようにゆかない。

ソフトを紹介する立場からいえば、「comono ImageViewer」のように“特徴的な画面がないソフト”は、正直言ってやりづらい。画面を紹介すればすぐにわかるようなことでも、文章で説明しなければならないからだ。しかしながら「特徴的な画面がないからこそ使いやすい」というのは「画像ビューア」というジャンルの特徴なのだろう。

最大のアピールポイントは、ダブルクリック一発で「等倍表示」と「画面に合わせた縮小表示」との切り替えができたり、カーソルキーによる表示画像の切り替えや画像の回転など、よく使う機能はワンタッチ操作で実行できたりと、画像を見る際のストレスが最小限ですむところでしょうか。

まだまだ発展途上のソフトですが、今後も随時機能強化を行っていく予定です。ご愛用いただければ幸いです。