「Radish Transparent Clock」は、透明なスタイルのアナログ時計ソフト。針（長針/短針/秒針）とアワーマーク（目盛り）以外は透明になっている。透明の部分では、背後に表示されたウィンドウなどを直接操作することが可能。高機能アラームも備えている。

時計はデスクトップの好きな位置に、好きな大きさで表示できる。文字盤は透明で、他のウィンドウの邪魔にならない。時計の表示位置を変えるには、文字盤の中心をドラッグする。目盛りのドラッグで、大きさを変更できる。

アラームは、指定時刻に「サウンドの再生」「時計の点滅」「メッセージ表示」「ファイル実行」などを行えるもの。サウンドの再生は、WAVE/MIDI形式のファイルに対応。あらかじめ用意されたファイルのほかに、好みのファイルを利用できる。指定時刻にファイルやプログラムを起動させることも可能。動画や音楽を再生させることもできる。

毎正時（×時0分）や毎正時半（×時30分）に時報を鳴らすことも可能。アラームと同様、サウンドの再生や時計の点滅なども指定できる。毎正時の場合、時刻の数に合わせて、サウンド再生や時計の点滅を繰り返す（例えば8時であれば8回）といった指定も可能だ。

現在の日時をクリップボードにコピーする「タイムスタンプ」機能もある。タイムスタンプで取得する日時の書式は19種類から選択できる（例えば「システム長形式」では「8:35:31 2006年11月7日」といった具合）。クリップボードにコピーされた日時は、もちろん他のアプリケーションで利用することが可能だ。

時計の外観は、好みで細かくカスタマイズできる。

• 針のスタイル・大きさ
• 目盛のスタイル/大きさ
• 針・目盛りの色
• 時計の縦横比
• 秒針・副目盛り表示のON/OFF

一番のセールスポイントは、時計を移動させることなく、重なる下の領域を操作できる点だろう。使ってみるとその良さを実感する。ウィンドウの透明度を設定し、ウィンドウと重なる下の領域が透けて見える機能をサポートするソフトはめずらしくないが、「Radish Transparent Clock」のように、文字盤と重なる下の領域が見えるとともに、マウスで下の領域を直接操作できるものは少ない。

個人的に一番気に入った機能はアラームだ。「Radish Transparent Clock」のアラーム機能は豊富なオプションを持つが、指定時刻に指定したファイルを実行できる機能がおもしろい。街角のからくり時計のように、ユニークなアラームとして利用したり、スケジューラのように利用したりできる。

お勧めのポイント
Windows 95時代にスタートした作品ですから、非常に動作が軽くできています。常時起動しておくものですから、軽さはポイントではないでしょうか。また、いい意味ですでに枯れたソフトですので、安定性などの面で非常に長い実績を誇ります。

便利な機能紹介
基本コンセプトは“必要十分な機能でわかりやすく”です。何でもかんでも機能を持っているわけではありませんが、使い方に戸惑わない、洗練されたインタフェースを特徴とします。

アラーム機能を充実させています。指定時刻にファイルやアプリケーションの起動もできますから、時間になったらお気に入りの画像や音楽を再生させるという楽しみ方もできます。

デザインカスタマイズについて
目盛りや針の大きさ、色などを変えることができますので、使いやすいように設定してご利用ください。

開発に苦労した点
Windowsの標準的なインタフェース仕様でないため、どうしても動作が重くなりがちな機能でしたので、当時のコンピュータが非力であったこともあり、いかに軽量な動作にするかで苦心しました。時計ということで、表示がコンピュータ内部の時計にいかに正確に追従してくるかも工夫した点ですが、ここでも軽量性を損なわない工夫などがあります。