芋虫を操ってフィールドに散りばめられた漢字を1文字ずつ回収し、四字熟語を作るパズルゲーム。自分で熟語を追加登録することもできる。「四字芋虫」は、パズルゲーム感覚で遊びながら覚えられる四字熟語学習ソフト。5×5マスのフィールドには六つの四字熟語がバラバラに置かれる。プレイヤーの目的は、芋虫を操って漢字を回収し、四字熟語を完成させること。
操作は簡単。カーソルキーで芋虫を動かし、文字の上でスペースキーを押すと漢字を“回収”できる。正しい四字熟語になるよう漢字を順番に回収し、四字熟語が完成するとスコアが加算される仕組み。フィールドは5×5マスに区切られており、芋虫は上下左右に1マスずつ移動できる(斜め移動は不可)。漢字が置かれているマスの上に乗ることはできるが、通過はできない。
芋虫には「パワーポイント」が設定されている。漢字が置かれたマスに乗り、そこから漢字がないマスに移るとパワーポイントが1消費される(マスに乗っただけでは消費されない)。ステージ1では5ポイントからはじまるが、先のステージほど初期パワーポイントが少なくなる。いかに漢字が置かれているマスを避けながら移動するかが攻略のポイント。ポイントが0になるとゲームオーバーとなる。
ステージ数は全部で五つ。ステージをクリアするには、すべての漢字を回収し、かつ四字熟語の正解数が4問以上必要となる。ステージをクリアできなかった場合、ステージの最初からコンティニューできる。コンティニューできる回数は“各ステージの初期パワーポイント”と同じ。例えばステージ1では5回、ステージ2では4回までコンティニューが行える。コンティニューの回数を超えてゲームオーバーになった場合、ステージ1からやり直しとなる。
オプションで制限時間の有無を選択できる。制限時間ありの場合、各ステージを指定された時間内にクリアしないとゲームオーバーとなる。制限時間はステージが進むにつれて4分、3分半、3分と短くなっていく。制限時間はややシビアなので、もたもたしているとあっという間にゲームオーバーとなってしまう。その代わり、制限時間を「あり」に設定していると、残り時間に応じて得点が加算されるという利点がある。ハイスコアを狙う場合は制限時間を「あり」にしておこう。
パワーポイントを減らさずにステージのすべての四字熟語を完成させると、ステージクリア後、スコアに「完全無欠」ボーナスが加算される。ハイスコア狙いならば、「完全無欠」ボーナスが必須だ。すべてのステージを「完全無欠」で突破すると、スコアが大きく伸びる。ただし、制限時間を設定している場合は考える時間がないため、なかなか難しい。
四字熟語を組み立てる際、最初の1文字目に芋虫を乗せた段階で“組み合わせられる四字熟語”の意味をヒントとして教えてくれる。どうしても熟語が思い浮かばない場合は適当な文字の上に乗り、ヒントが表示されたものを起点にするとよい(乗った文字が起点になり得ないものだった場合は、パワーポイントを無駄にしてしまうので注意)。
ゲームを途中で終了する場合はプレイデータを保存でき、次回起動時に前回のプレイを引き継ぐことができる。引き継がない場合は、ステージ1からスタートとなる。
いくつかの追加オプションもある。フィールドに表示される文字のフォント・書体は、ユーザが自由に選択できる。Windowsに登録されている日本語フォントであれば、ほとんどのものを使える。問題をユーザ自身が追加することも可能だ。「追加問題.TXT」のテキストファイルに、エディタなどで直接問題を書き込むことで自由に問題を追加できる(既存の登録済み四字熟語は編集できない)。
ゲームのルールは非常によく練られている。フィールドが網目状になっているため、四字熟語が組み立てられるルートを探るには、多くの思考を必要とする。「行く先が制限されている」という要素が、パズルゲームとしての難易度をうまくコントロールするポイントになっていると思う。スコアの加算方法も適当で、ハイスコアを狙おうとすると途端に難易度が上がる点もおもしろい。
唯一の難点(?)は、最重要キャラであるはずの芋虫がすこぶる「かわいくない」こと。失礼ながら、人によっては「グロテスク!」と叫んでしまいそうなフォルムなので、万人にお勧めするのは気が引ける。とはいえ、教育ソフトとしての性能やゲーム性は高いので、興味がある方はぜひ一度プレイしていただきたい。
(田中 剛健)