ソフトを開発しようと思った動機、背景
退勤時にメールで「帰るコール」をしている方は、数多くいらっしゃると思いますが、携帯電話のメールですと料金がかかってしまいますし、文章入力も面倒です。そこで、「帰る直前にパソコンからメールを簡単に送れるようにできればいいな」というのが、作成に至ったもともとの動機です。開発するにあたって考慮したのは、- メールを送信することを忘れないように、退勤する時間が近づいたらポップアップでメールの送信画面が表示されること。また、退勤予定時間として複数の時間をスケジュールできること
- 帰宅直前に送るメールなので、メール送信後は、自動でコンピュータの電源状態が変更されること
- タスクトレイは満杯だし、メール送信待機にリソースを使うのはもったいないので、常駐しないこと
- 到着予定時刻をメール送信時刻から計算して、メール本文中に自動で記入されること
などで、これらのことから「OSのタスクスケジューラ機能を使用してスケジュール送信を行う」「送信日時を変数としてメール本文中に記述でき、かつ定数との加減算ができるようにする」といったアイデアが生まれました。その後、ユーザの方々から「メールの自動配信ツールとしても使いたい」とのご要望が寄せられたため、機能を強化して現在に至っています。
開発中に苦労した点
一番苦労したのは、スケジュールを設定するためのユーザインタフェースです。Windowsのタスクスケジューラは、機能が豊富な分、設定する項目も多く、それらをわかりやすく入力するためにはどうしたらいいのか、いろいろと試行錯誤しました。設定可能な項目は一部省略してありますが、OS標準のタスク設定方法よりは、すっきりできたのではないかと思っております。
そのほか、エクスプローラ風ユーザインタフェースや電源状態変更も、はじめてプログラムする内容なので苦労しましたが、インターネットから、有益な情報が数多く得られて大変に助かりました。
ユーザにお勧めする使い方
これまで「携帯電話にメールで通知してもらえたら便利だけど、そのためだけに自宅のパソコンの電源を常時ONにしておくのはもったいない」と感じていた方に、ぜひお使いいただきたいと思います。また、会社関係や友人・知人に定期的にメールを配信するような、いわゆる同報メールのような用途にも、十分お使いいただけると思います。
意外と便利なのが「メールの内容、添付ファイルが更新されていた場合のみ送信」する機能です。「原則として毎週月曜日にメールを送信するが、連絡事項がない場合はメールを送信しない」というような場合、スケジュールを毎週月曜日に送信するように設定、さらに「メールの内容が更新されていた場合のみ送信」する設定にしておきます。このようにしておけば、いちいち、スケジュールを再設定しなくとも、メールの内容を更新した場合にだけ、メールが送信されるようになります。
あと、「送信前にプログラムを実行」する機能は、添付ファイル送信と組み合わせると、遠隔地にある測定器や装置で、指定した時間にデータを収集し、その結果をメールで送信するような使い方にも応用できます。
今後のバージョンアップの予定
基本的な機能は、ひと通り搭載したつもりなので、今後は、使い勝手を向上させる方向でブラッシュアップを図っていこうと考えております。ユーザのみなさまからのアイデアは歓迎いたしますので、「こんな機能があったらいいな」という案をお持ちの方はご連絡ください。
(須田 正之)