パソコンで音楽を演奏するというとちょっと敷居が高いような気がするが、音楽で楽しく遊ぶソフトというジャンルもある。今回の「SP-Dia」は、まさにそういうソフトだと思う。画面はボタンが少しとパターンが描かれているだけ。一見すると音楽ソフトではないかのようで、楽器を連想させるものがなにもない。でも大丈夫。マウスをぐりぐりと動かすだけで音が出て、使い方はすぐにわかる。マウスの左ボタンで音が出て、マウスの動きで音程が変わるという、シンプルな仕掛けだ。
「テルミン」という楽器をご存じだろうか? アンテナに手を近づけたり離したり、手の向きなどで音程が変化する電子楽器だが、ちょうどあんなイメージで音が出るのだ。マウスを動かすと、紫色の円の大きさが変わり、これがメロディの音程になる。同時に青いバーカーソルの角度も変わるのだが、これが伴奏のコードを決める。
きっちりとした音程変化の激しい演奏には向かないが、フィーリングにまかせてマウスを動かしているだけで、結構それらしい演奏ができてしまう。テルミンもそうだが、手の動きと音が連動するという仕掛けには、音を奏でる楽しみがあると思う。
楽器演奏の経験は必要ないし、子どもから大人まで音楽を身近に楽しめるソフトなので、難しいことは抜きに、まずは触れてみていただきたい。
(呉 真)