「エルクの塔3〜脱出〜」に用意されたステージは全40面。すべてのステージには、必ず取らなくてはならない「秘宝」が1個と、出口の「階段」が1ヵ所用意されている。プレイヤーは主人公の「リース」を操作し、「秘宝」を取って「階段」まで辿り着ければステージクリア。ただし通常、「秘宝」や「階段」の前には、1個ないし数個の「ボム」が設置されており、リースの行く手を阻む。万が一、主人公・リースがボムに触れてしまったら、爆発してただちにゲームオーバーとなる。

ボムに対抗するリースの手段はただひとつ──ステージ上にある「岩」や「ラバーブロック」を飛ばしてぶつけ、進路上の「ボム」をすべて破壊してしまうことだ。リースに飛ばされた「岩」や「ラバーブロック」は、壁や他の岩などにぶつかるまで直進する。この飛ばす・ぶつけるを繰り返すことで、ステージ上を移動させることができる。

「ラバーブロック」は、自分自身が飛ぶときは「岩」とまったく同じ動作をするが、岩や他のラバーブロックをぶつけられると、まっすぐに跳ね返す性質がある。各ステージでは、ラバーブロックのほかにも、上を通過したリースや岩などを同じ色の床の上までワープさせる「ワープ床」や、矢印の方向への移動を禁止する「進入制限床」といった仕掛けが登場する。

最初、「この方式だと荷物（岩）の動きが大味になり、簡単な問題が多くなるのではないか」と思っていたのだが、まったく見当違いもいいところだ。ステージ全体をダイナミックに使った、いったいどうやったら解けるのか見当もつかないような難問揃いで、すっかり脂汗を流させられてしまった。

なんと言っても、用意されたステージ（問題）が実にいい。「ワープ床」や「ラバーブロック」などの仕掛けとそのルールを複雑に組み合わせたステージがあるかと思えば、一方でそれらの仕掛けをほとんど使ってない一見シンプルに見えるステージもある。ただ単に手強いだけでなく、バラエティに富んでいて、非常にチャレンジのし甲斐がある。

パズルゲーム好きの人にはぜひお勧めしたい1本。「ワープ床」など、仕掛け周りのルールは若干複雑だが、詳細な解説も用意されているので混乱はしないだろう。

開発中に苦労した点
最も苦労したのは、マップデータの作成でした。シンプルさや形にこだわったステージなどもあり、苦労しましたが、ある程度納得できるものになったと思います。次に苦労したのは、DirectXの使い方でした。このゲームはサウンド関係の再生にDirectX 7.0以降を使用していますが、すべてのユーザが、この環境を満たしているわけではないので、プレイできない人も出てきてしまいます。一人でも多くの人にプレイしてもらいたいので、このようにDirectXが使用できない環境でもプレイできるように、DirectXを使わなくても起動できるように作っています。その部分のプログラムが大変でした。

ユーザにお勧めする使い方
とことん自分で考えて、そして解けたときの快感を味わってください。

今後の予定
マップデータがまだ完全とはいえないので、その修正を中心に、バグなどが発見されれば、それらの修正も含めて、バージョンアップしていきたいと思っています。次回作については未定です。「エルクの塔」3部作も完成し、次はどうしようかと考えています。