「スプリングロボット」は、三つの要素を組み合わせることで、パソコン上で「ロボット」を構築できるシミュレーションソフト。構成要素となるのは、（1）重さを持ち、関節的な役割をする「点」、（2）点と点とを結ぶ「スプリング」、（3）自ら伸び縮みをする「筋肉」で、これらを画面上で配置・接続することで、ロボットを組み立てていく。ポイントの固定/可動、バネや筋肉の強さ、重力や空気抵抗といった物理的な条件を変えて動作させることが可能で、有機的でリアルな動きを再現する。

三つの要素には、それぞれ次のような特徴がある。

1. 「点」は、それ自身が重さを持つ。動かない点と動く点の2種類がある
2. 「スプリング」は、自らは動かないが、外から加わる力の反作用として伸び縮みをする直線
3. 「筋肉」は、自立的に伸び縮みをする直線。各筋肉の伸縮タイミングを時間軸で制御できるほか、伸張率、伸張速度を調整できる

そのほかにも「点」の重さをなくしたり、要素の可視/不可視を切り替えたりといったことが可能。重力の方向を逆にしてロボットを動作させることもできる。

「点とスプリング、筋肉をつなげる」ということ以外には、特に制限がないので、アイデア次第でどんな形を作ってもいいわけだが、重力が働くため、単なる「点」や「線」は地面に落下して、そこでストップしてしまうので、基本的には、固定点を一つ設けて空中にぶら下げるか、多角形、球形、あるいは多面体といった、重力でつぶれたり倒れたりしないような形を作るといったところが、最も簡単なアプローチとして考えられるだろう。また、有機体のようにうまく見せるには、動作が持続する（止まらない）ように調整したり、不可視の点や筋肉をうまく利用することがカギになる。

マニュアルには、二つの筋肉だけによる非常に単純な構成のロボットに、振り子/回転運動をさせるための条件（タイミング）や、フィールド上で形が壊れにくい安定した形状（三角形が最も強い）など、ロボットの基礎的な動作と構築法が簡潔に、わかりやすく説明されている。

思い通りのロボットを、一から構成するのはなかなか難しいが、はじめは簡単なものを作って、ロボットの性能と外部条件を調整しながら、試行錯誤してみるといいだろう。もちろん、いろいろと物理的条件を計算（調整）して精緻なロボットを作ることも可能だが、予想どおりにいかない動作に「愛敬」を感じられる人なら、適当に作って動かすだけでも結構楽しいはずだ。また、サンプルのロボットがいくつか付属しているので、これを読み込んで動かしたり、自作の参考にするのもいいだろう。

モデルデータ募集中
おもしろいロボットができたら、モデルデータをメールでSmoke Stack Softwear宛にお送りください（または作者ホームページの掲示板にアップ）。いろいろな人が作ったロボットを作者ホームページで紹介させていただきたいと思っています。ぜひ、よろしくお願いいたします。