マウスやペンタブレットを使って、毛筆タッチの絵手紙を作成し、そのままメールに添付して送ることができる電子メールソフト。「Mac絵手紙」は、手描きの風合いを持つ絵手紙を簡単な操作で作成・送信できるユニークな電子メールソフト。ペンタブレットの筆圧感知に対応するほか、落款押印機能もあり、“人間味のある”表現力豊かな絵手紙を作成できる。
メールに添付する絵を描くための操作は、実際の紙に筆で描く場合と同様の感覚で行える。マウスの微妙な動きで筆跡(描画線)の太さや濃さが変わり、毛筆風(あるいは手描き風)の描画を実現。例えば、「同じ場所でマウスを押し続けると(ちょうど紙の上で筆を押しつけたように)どんどん筆跡が太くなる」「マウスをすばやく動かすと筆跡は細く色が薄くなり、ゆっくり動かすと筆跡は太く色が濃くなる」といった具合だ。描画は、マウスやノート型Macのトラックパッドで行えるほか、ペンタブレットでも行える。ペンタブレットの筆圧感知機能に対応しており、より細かなニュアンスを表現することが可能だ。
絵を描くキャンバスのサイズは、ウィンドウを伸縮させて任意の大きさで使うことができるが、320×400ピクセルの基本値にいつでも設定を戻すことができる。また、任意のサイズをプリセット値として保存し、再利用することができる。筆の太さは、極太筆/中筆などの4種類から、カラーパレットは、256色の「基本色」、墨絵風の描画に適した144色のモノトーン色が登録された「モノクロ」、ユーザが色登録できる「カスタム」(Mac OSのカラーパレットから選択)の3種類から選択することが可能だ。さらに、不透明度の設定も可能で、水彩画風や油絵風など、多彩なタッチを使い分けることができる。
“人間味のある”特徴として、Undoができないことが挙げられる。実際に絵の具で手描きする場合と同様、一度描いた部分は取り消すことができない。失敗や描き損じの場合には、上から別の色で塗りつぶすか、「新規作成」まで戻ってやり直しすることになる。ただし、選択した筆色や太さの確認用として「試し書き」欄が用意されており、ここで色や筆を替えて描き試しできるようになっている。
書画に対して作者が押印する「落款」機能もある。落款は、ユーザが「小刀(3種の太さを選択可能)」を使い、自分で「石」の上に刻して作成する。複数の落款を作成して、保存しておくことも可能。描いた絵手紙にワンタッチで押印できる。
描画した絵は、「Mac絵手紙」終了時に自動的に「スケッチブック」に保存される。ユーザが任意のファイル名を付けて保存することはできないが、「スケッチブック」に保存された絵は、いつでも呼び出して再描画できる。
メール機能としては、Sent(送信済みメール)、Inbox(受信メール)、Trash(消去メール)の各フォルダを利用できるメールボックスのほか、アドレス帳を備える。マルチユーザにも対応する。描いた絵手紙にメッセージを添えて、簡単な操作で送信することが可能。絵はJPEGファイルとして添付されるため、「Mac絵手紙」以外の一般的なメーラでも受信できる。