「Charu2Pro」は、ホットキー操作やタスクトレイアイコンのクリックでテキストリストウィンドウをポップアップ表示し、その場でテキストを貼り付けられるクリップボード拡張ソフト。貼り付けが終わるとウィンドウは自動的に消えるので、作業の邪魔にならない。クリップボードへ転送されたテキストデータは、標準で50個まで保持することが可能で、リストから選択して自由に貼り付けられる（最大保持数はユーザが変更できる）。同じくリストから選択してすばやく利用できる登録済みテキストは、顔文字やC言語の予約語、HTMLタグなど、非常に数が多い。

大きな特徴は、強力なマクロ機能を搭載していること。書式を細かく指定して日付・時間を貼り付けることができるほか、（HTMLタグの付加に便利な）選択した文字列の前後への指定文字列の貼り付け、引用符付加や大文字/小文字変換、文字コード変換した上での貼り付けなど、さまざまな処理を施すことができる。さらに、マクロを利用してアプリケーションを実行したり、関連付けされたファイルを開いたりすることも可能で、ランチャ的な使い方もできる。キーボードマクロ機能もあり、一連のキー操作を自動実行させることが可能だ。マクロは、マクロテンプレートから選択するだけで簡単に記述できる。

クリップボード履歴では、履歴モードのON/OFFが可能。履歴モードをONにしておくとテキストリストを開かなくても、コピー/ペーストのショートカットキーで履歴機能を使用できる。クリップボード履歴を再利用する場合は「先入れ先出し」と「先入れ後出し」の2種類のモードから選択できる。「ロック項目」「ノーマル項目」の区別があり、ノーマル項目に設定しておくと、貼り付けと同時にリストから消去されるようになっている。

ただし、多機能すぎて、なかにはややわかりにくい部分もある。履歴を自動的に保存してメニューから自由に貼り付けられるのに、なぜさらに履歴モードのON/OFFがあるのかとか、すぐに貼り付けられるように登録するのに「貼り付けると消える」（ノーマル項目）という設定ができるのはなぜかといった部分は、パソコン初心者にとってはドキュメントを読んだだけではピンとこないかもしれない。

とはいえ、基本的な操作は簡単なので、とりあえずクリップボード履歴と顔文字の貼り付けだけでも使ってみることをお勧めする。マクロ機能も意外に簡単なので、登録済みの項目を見ながらカスタマイズしていけば、ブックマーク的な使い方程度なら、すぐにわかるようになるだろう。

使い勝手の点では、ホットキーでキャレット（テキストカーソル）位置にポップアップし、使用後はすぐに消えるのが邪魔にならなくてよい。また、貼り付けのショートカットが【Ctrl】＋【V】キー以外のアプリケーションにも対応可能な点には注目したい。デフォルト以外の設定を登録しておけば、ウィンドウごとに自動的に切り替えてくれるし、設定も複数登録できるので、いろいろなソフトから共通して利用できるのはありがたい。

顔文字やタグ、プラグインなどが最初から豊富に登録されており、すぐに使えるのも実用的でうれしいポイントといえる。

開発中に苦労した点
ソフトによって相性があったり、OSによって動作が違ったりと苦労しました。いまは相性が出そうな部分は、設定で変えられるようになっています。また、デザインがきれいな貼り付けソフトはないので、見た目にもこだわりました。

ユーザにお勧めする使い方
まずは基本の定形文貼り付けに慣れてほしいです。が、これだと辞書登録と変わらないので、徐々にマクロやプラグイン、キー入力マクロ、先入れ先出し、クイック確定などを使ってほしいです。

今後のバージョンアップ予定
現在、3種類の貼り付けソフトとデータ互換になっています。まず、この種類を増やしていくつもりです。さらに各ソフトのマクロも解釈できるプラグインを開発し、ほかのソフトのデータをそのまま使えるようにする予定です。あとは要望があって、妥当なものなら採用します。