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新着ソフトレビュー

2002.10.02

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Mutter Launcher
検索文字列の部分一致で絞り込んでファイルやソフトを開けるコマンドラインランチャ

■Windows XP/Me/2000/98/95/NT　　■フリーソフト


	起動したいプログラムの文字列を入力すれば、自動作成されるプログラムリストの選択候補が絞られていく
	◎そのほかのスクリーンショット「環境設定」ダイアログでは、「選択候補リスト」に展開されるフォルダや「固定候補項目」の設定を行える「固定候補項目」には、「各種検索サイトのCGI実行」など、「検索文字列」をパラメータに利用して起動するプログラムを登録する

ソフト名やファイル名を部分一致で絞り込み、すばやく開くことのできるコマンドラインランチャ。

「Mutter Launcher」は、ユーザが入力した検索文字列と部分一致するアプリケーションやファイルを絞り込み、目的とするアイテムを選択・起動できるランチャ。プログラムリストは、スタートメニューやデスクトップなどを検索して自動作成される。プログラムリストと検索文字列の「先頭文字列が一致」していなくても、「部分的に文字列が一致する」状態であれば、絞り込み表示が行われる点が大きな特徴。画面構成は検索文字列バーと選択候補一覧ウィンドウとシンプルだ。

起動後、タスクトレイに常駐する。ランチャ機能を利用するには、タスクトレイアイコンをクリックするか、【Ctrl】＋【Alt】＋【W】キーでメイン画面を開く。ホットキーは変更することも可能だ。

検索文字列が1文字入力されるごとにリアルタイムで絞り込み結果が変化していく。検索文字列入力時に自動補完（オートコンプリート）機能を利用することもできる。検索では、カナ文字の全角/半角、英文字の大文字/小文字/全角/半角の区別は行われない。

アイテムが絞り込まれたら、選択して【Enter】キーを押す（または「実行」ボタンのクリック、ファイル名のダブルクリック）。【Shift】キーを押しながら起動アクションを行うと、アイテムの存在するフォルダが開かれる。アイテムの選択には、上下のカーソルキーや【Ctrl】＋【P】キー（上移動）/【Ctrl】＋【N】キー（下移動）なども利用できる。

起動ごとに作成される選択候補リストは、「デスクトップ」「デスクトップのサブフォルダ」「スタートメニュー」「最近使ったファイル」「パス指定されたフォルダ」「IEのお気に入り」の6ヵ所が標準でスキャンされる。「任意のフォルダを追加」オプションで、そのほかのフォルダをスキャンさせることも可能だ。

また、起動リスト中に常に表示できる「固定候補項目」に文字列を登録することにより、「文字列」＋「検索文字列に入力した文字列」で実行することが可能になる。インターネットの検索サイトを利用した検索も可能で、標準で「Google」「Yahoo! Japan」「CinemaScape」が登録されている。

reviewer's EYE

Mutter（つぶやく）の名前通り、アプリケーションを起動するときに、「えーと、エクセル、エクセル」などと、アプリの名称をつぶやきながら起動している人にはうってつけのソフト。スタートメニューが肥大化しすぎている人も便利に利用できるだろう。

「部分一致検索」を行ってプログラムリストを絞り込めるのが最大のメリットで、「部分一致検索」サポートにより、起動したいアプリケーションの名称の一部でも思い出せれば、検索・起動できる。

パソコンにセットアップされた実行形式ファイルなどを自動的に検索し、プログラムリスト化できるのも秀逸。一つひとつプログラムを登録しなくてもよいので、非常に楽だ。

プログラムリストをスクロールさせて眺めるだけでも意外に楽しいが、存在を忘れていた実行ファイルに出合うこともある。不要と判断したら、【Shift】キーを押しながら起動してフォルダを開き、簡単にハードディスクから削除することも可能だ。

気になるのは、起動時に毎回プログラムリストを作成するため、利用開始で多少時間がかかるところ。もちろん対処法は用意されており、「環境設定」で「更新指定時のみリスト再取得」をONにしておけばよい。この設定では、「リスト再取得」コマンドを実行したときのみ、プログラムリストを作成するようになる。「更新指定時のみリスト再取得」をチェックしておき、プログラムをセットアップしたときに、「リスト再取得」コマンドを実行するとよいだろう。

利用したいアプリケーションを素速く起動することがランチャの使命だが、キーボードを使うことが多く、セットアップ済みアプリケーションが多いユーザは、特に重宝するのではないだろうか。

（永浜裕之）

ソフト作者からひとこと

ソフトを開発しようと思った動機、背景
一番の動機は、よく名前を呟きつつ（mutter）アプリケーションを探している自分の日々の動作を、よりすばやくできるようなランチャが欲しかったこと。その際に「部分文字列」で絞り込むコマンド系のランチャが見つからなかったことです。

動機・背景をより詳しく知りたいという奇特な方は、「Mutter Launcher 紹介」（http://hp.vector.co.jp/authors/VA022068/soft/bin/mlnch/）や、「ランチャー進化論？（あるいは、Mutter Launcherを作るまで。）」（http://hp.vector.co.jp/authors/VA022068/doc/launcher/launcher.html）をご覧ください。

開発中に苦労した点
いかにWindows既存の環境に寄生的に動くか、いかに楽をしてユーザを助けるか、そしていかに富豪的な仕上がりにするかのバランスです。でも、本当に一番苦労したのは、自分のやる気を維持すること。

補足：「富豪的」というのは、POBox の作者、増井さんの「富豪的プログラミング」（http://www.csl.sony.co.jp/person/masui/fugo.html）を、僭越ながらも心意気では目指しているところからきています。

ユーザにお勧めする使い方
ボタン系のランチャとの組み合わせで使うとよいと思います。また、Ver.1.6.1から追加した固定候補項目の追加機能は、検索サイトへの中継に限らずユーザが自由に設定ができますので、いろいろ活用してみてください（いいアイデアがあったらぜひメールをください）。

くだらない使い方としては、1文字だけ検索文字列に指定して、あまり使われていない文字を調べる。:-)

今後のバージョンアップ予定
当面の間はバグ修正以外は考えていません。もし、私の「プログラムのコスト＜不満の度合いや日々のほかのコスト」を真と感じさせるような新しいアイデア（そんな新しい切り口ということ）を見つけたかな？　と思ったらぜひ教えてください。機能追加を検討します（ただ「気が向いたら作る」前提で）。

（Rab-Duck）