ソフトを開発しようと思った動機、背景
ゲームを手軽で簡単なスクリプト言語で書く──これは、昔のBASICの時代から盛んに行われていますが、そういった言語を使っていても、ゲームの規模が大きくなって、たくさんのキャラクタが出現しだすと、プログラムがどんどん複雑になってしまいます。なんとか手軽さと単純さを失わないまま、たくさんのキャラクタを動かせないか……。そこでひらめいたのが「手軽な言語がいっぺんにたくさん走ればいいんじゃないか」というアイデアでした。
「Tonyu」では、1個1個のキャラクタがすべて独自のプログラムをもって走るので、各プログラムは非常に単純なものでも大丈夫です。それらが互いに連携して複雑なゲームを作り上げていきます。
ほかにも、「Tonyu」は実行前に画面のレイアウトが作れるのも特徴ですが、これは、いわゆるオーサリングツールを参考にしています。しかしオーサリングツールは決まった動作しかしないアニメーション向きなので、プログラム機能があまり充実していないのが難点でした。「Tonyu」は、「より手軽にプログラムが書けるオーサリングツール」ということができます。
開発中に苦労した点
上で述べたような、プログラムをいっぺんに走らせるといったことがやっぱり苦労しました。いっぺんに走るプログラムの数が多くなっても平気なように、メモリや速度の点で効率を上げなければいけなかったため、コンパイラだけでなく、いわゆる仮想マシンもすべて自前で作りました。
ユーザにお勧めする使い方
まずはサンプルゲームをやってみてください。それなりに遊べます。でも、ゲームを作るのも、ゲームをやるのと同じくらい、もしくはそれ以上に楽しいということを「Tonyu」を通じて体験してほしいと思います。公式サイトでは、みなさまの作ったプログラムを自由にアップロードできるコーナーがありますので、ゲームを作成したら積極的に投稿してくださるようお願いします。みなさんがプログラムの技を互いに競い合ったり、一つのプログラムを協力して作れるような環境を目指していきたいと思っています。
今後のバージョンアップ予定
ネットワーク対応や、ブラウザへの組み込みなど、コミュニケーションを重視したシステムへ発展させる予定です。
(長 慎也)