「PicMan」は、エクスプローラライクなデザインを持つ画像管理ソフト。操作もエクスプローラとほぼ同様で、左側のフォルダツリーでフォルダを選択すると、右側のファイル一覧にサムネイルが一覧表示される。サムネイルには好みによって額縁を付けることも可能だ。エクスプローラとの違いは、複数のフォルダを同時に開いてファイル一覧で参照できること。あちこちに分散した画像もまとめて表示することが可能だ。

データベース機能は、「アルバム」に登録することで提供される。アルバムに登録した各ファイルには検索用のキーワードやメモを付けることが可能で、高速な検索が行えるようになっている（アルバムに登録しなくてもキーワードやメモを付けることそのものはできる）。アルバムに、CD-ROMやMOなどの内容を登録しておけば、ドライブからメディアを抜き取ったあとでも、内容の確認や検索を行うことができる。

強力な検索機能は「PicMan」の大きな特徴のひとつ。エクスプローラと同様の機能を持つ「ファイル検索」、ファイルに付けたキーワードやメモの内容で検索する「キーワード検索」、指定した画像ファイルとの画像の近似度によって検索する「画像検索」の3種類の検索方法が用意されている。

画像のソート方法が豊富なことも特徴のひとつだ。「ファイル名順」や「サイズ順」はもちろん、「色数順」「色の濃さ順」「赤っぽさ順」「明るさ順」「画像幅順」など、計12種類の方法でソートを行える。

実サイズでの画像の確認は、専用のビューアで行える。「PicManレタッチ」という専用のレタッチツールも付属しており、明るさやコントラストなどの補正やノイズ除去、ぼかしといった基本的な画像の調整を行うことが可能だ。

そのほか、ハガキサイズやA3フルサイズ、プリクラシートなど、豊富なレイアウトに対応した印刷機能や、HTML形式でのサムネイル一覧自動作成機能なども用意されている。

「PicMan」の中心となっている機能は画像管理用のデータベースだが、アルバムに入れたフォルダを開くだけでファイルをデータベースに登録してくれるため、そのことを意識することはほとんどない。ファイル数の非常に多いフォルダを初めて開くときにはかなり待たされることもあるが、いったん開いたあとの反応は軽快で快適である。

強いて気になったことがあるとすれば、複数のフォルダを同時に開くことができるため、うっかりすると開いているフォルダを把握できなくなってしまうことだろう。個人的には「このフォルダ以外を閉じる」機能があればうれしいと感じた（編集部注：【Shift】＋【Enter】/【Space】で閉じることができる）。また、これは速度面などから難しいのかもしれないが、アルバムに登録していないフォルダも対象にして、メモやキーワードの検索が自由にできるようになればさらに便利だろう。

ようやく完成した「PicMan」の原型のプログラム（名前は「PicOrder」でした）ですが、これはあまりの仕様のややこしさと遅さがネックとなり、公開する気になれず、「自分専用」として使ってました。

それから3年間、ひたすら改良を重ね続けるわけですが、21世紀を目標にもう一度仕様を洗い直して作り直しました。新たに「操作性」「デザイン」「速度」──これらのコンセプトを追加し、ようやく完成したのが「PicMan」です。デザインは自己満足かもしれませんが。(^^;

開発で一番苦労したのはデータベース管理です。「PicMan」は縮小画像も管理しているのですが、単純に縮小画像を保存していると、どこまでも大きな管理ファイルができてしまいます。縮小画像ごとに最適な圧縮方法を自動選択して圧縮管理しつつも、表示で瞬時に解凍するという処理で何日も悩んだりしました。ほかには「似た画像」の検索処理でもずいぶん苦労しましたが、これはおもしろい機能なので、自分自身が楽しみながら開発できました。

「PicMan」はどんな形でも画像を扱う方にはきっとお役に立つと思います。ぜひ一度ご利用くさい。僕自身は「PicMan」をCD-Rの画像管理、ソフトの画像作成のランチャ、デジカメ写真の印刷といった使い方に役立ててます。

今後の予定はヘルプに少し書いてますが、基本的には僕自身の思いつきと、利用者の要望で「PicMan」は成長していきます。もちろん改良の最優先はバグ修正になると思いますが。(^^;