テキスト、画像、サウンドといった素材を組み合わせて「絵本」=マルチメディアタイトルを作成できるオーサリングソフト。必要な素材を絵本工房に読み込み、マウスでページに配置していくだけでマルチメディアタイトルができあがる。作成したタイトルはアプリケーション形式で書き出すことが可能だ。絵本工房は、絵本のページイメージを示す「紙面ウィンドウ」と、素材を登録しておく「素材ウィンドウ」の二つの画面で構成される。実際にマルチメディアタイトルを作成するには、
- 素材ウィンドウ上に「画像」「テキスト」「サウンド」「視覚効果」を用意する
- 素材を紙面ウィンドウの各ページに配置していく
- プレビューモードで動作を確認しながら、素材やページごとにグラフィック/サウンドの効果をつけていく
という流れになる。紙面ウィンドウへの素材の配置はドラッグ&ドロップで行うことができ、直感的に操作できる。素材として利用できるファイル形式は、画像がPICTのほか、QuickTimeで読み込み可能なJPEG/GIFなど。サウンドはSystem7サウンドに対応する。そのほかにも、他のアプリケーションからクリップボード経由で画像/サウンドを取り込むこともできる。テキスト素材は、他のアプリケーションで作成したテキストファイルを読み込むこともできるが、マルチスタイル対応のエディタを内蔵しており、これを利用して作成できる。テキストは縦書き表示にすることも可能だ。
視覚効果は、ページをめくったときの「次ページの現れ方」を指定するもの。「ワイプ」「ワイプストライプ」「ビットごとにじむ」など、計5パターンがあらかじめ用意されているのに加え、専用ソフト「視覚効果工房」(作者ホームページで無償配布)を利用することにより、オリジナルの視覚効果を作成することもできる。
紙面ウィンドウに配置された素材はセルとして管理される。画像/テキスト素材には、セルごとに不透明度(背景の透け具合)やクリック時の効果(反転する/暗くなる/へこむ)、クリック後の効果(サウンド素材の再生/前ページ移動/後ページ移動)などを設定できる。さらに、各ページごとに「手動ページめくり」「指定時間ごとの自動ページめくり」などを指定することが可能で、これらの組み合わせによって、凝った演出のマルチメディアタイトルが作成できるようになっている。
作成した絵本は「絵本ファイル」に保存してプレビューモードで見ることができるほか、単独で動作するアプリケーション形式ファイルに書き出すこともできる。アプリケーションに書き出せば、絵本工房を持っていない人でもマルチメディアタイトルを楽しめる。