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ベクターソフトニュース - 2000.12.20
HeartyLadder HeartyLadder Ver.2.00
マウスの右クリックだけで使える、テキストベースのコミュニケーションツール
Windows 2000/98/95/NT フリーソフト
「HeartyLadder」の動作画面
■文字パレット上の文字やコマンドを右クリックで選択する

マウスの右クリックだけで操作することが可能な、テキストベースのコミュニケーションツール。ソフトウェアキーボードとかな漢字変換システムを組み合わせたような文字入力機能を中心に、テキストの印刷・保存、電子メールの送受信などの機能も備える。身体に障碍を持つユーザでも無理なく使えるよう配慮されている点が特徴。

HeartyLadderのメインとなるのは、テキスト編集エリアを備えた「文字パレット」。ここには、かな、数字、記号などのほか、カーソル移動やテキストの保存/読み込みボタンなどが配置され、ボタンの選択により文字入力などが行える。画面切り替えにより、英字も入力できる。

文字の選択(入力)方法には4種類のモードが用意されている。初期状態で設定されている「ブリンクモード」を例にとると、8×16個のパレットのうち半分ずつが交互に赤枠に囲まれて点滅する。入力したい文字がある方が赤枠になったときにマウスの右ボタンをクリックすると、今度はそのグループのさらに半分が赤枠になる。これで対象となるパレットの範囲は全体の1/4となる。この枠も交互に色を変えて点滅しているので、同じ要領で右クリックを繰り返すと次々に枠の大きさが半分になってゆき、7回めのクリックで1文字を選択、8回めで入力できる仕組みになっている。マウスをまったく移動することなく、右クリックだけで文字を入力することが可能だ。

ブリンクモード以外の3種類のモードは「非ブリンクモード」(赤枠が交互に点滅する代わりに、右ボタンを押している時間に応じて選択する領域が変化する)、「スキャンモード with ワントラップ」(上下左右に動く枠が目的の文字の近くに来たところで右クリックすることで、移動範囲を絞り込みながら選択する)、「マウス指定モード」(一般的なソフトキーボードと同じく、目的の文字を直接右クリックして選択する)で、環境設定で好みのモードを選択できる。

文字入力パレットでは、かな漢字変換も行える。読みを入力して「変換」を選択(入力)すると、漢字に変換される。読みを途中まで数文字入力した時点で、辞書登録された語句の中から該当する単語の候補を表示するので、そこから選択することも可能だ。さらに、一度変換した語句は次から最初の1文字を入力すれば候補として表示されるので、使い込むほどに入力の手間が省けるようになっている。

入力された文字は、文字パレットの上にある編集エリアに書き込まれる。文字パレットには【Back Space】や【Delete】などのボタンも設けられており、文字の削除/コピー/貼り付けなど編集作業も同様の操作で行える。送受信が可能な電子メール機能を備えており、作成した文書をメールとして送信することも可能。印刷機能や音声読み上げ機能(別途ソフトが必要)もある。

reviewer's EYE VectorのSoftライブラリには「右クリックだけで操作できるメーラー」というタイトルコピーで登録されているが、あえてこれには異を唱えたい。というのも「メーラー」と表現してしまうことで、このソフトのイメージを限定してしまうように思えるからだ。

メールソフトという視点で捉えると、HeartyLadderの機能は決して十分とは思えない。それよりもむしろテキストエディタに簡易メール送受信機能が付いたものと考えた方が、画面で伝える/印刷して伝えるという二つに加えて、メールでもコミュニケーションができるというメリットをストレートに理解しやすいのではないかと思う。

最大の特徴といえる文字入力機能はユニークなもので、使いこなすにはある程度の慣れが必要だ。健常者が先に使い方をマスターして、障碍者に教えるというケースであれば、健常者には、マウス指定モードから入って漢字変換などの操作方法をマスターされることを、筆者はお勧めしたい。その他のモードでは文字パネルをなかなか思ったように操作できずソフトの機能を把握するのに手間取る場合もあるかもしれないが、その点、マウス指定モードなら(健常者であれば)確実に操作できるので理解も早いだろう。その上で、実際に利用される方の身体のぐあいに応じて操作モードを選び、点滅の間隔その他のオプションを設定するとよいのではないだろうか。

特殊な周辺機器などを必要とせず、簡単なクリック操作や音声スイッチで使えるHeartyLadderは、障碍を持つ方にとってコミュニケーションの可能性を広げてくれる貴重なツールだ。このようなソフトをフリーで公開されている作者に感謝したい。
(福住 護)


スクリーンショット》 最初の数文字を入力すると、補完して候補を表示してくれる。入力したい語句があれば、ここから選択すればよい
スクリーンショット》 印刷時には用紙やフォント、行間隔などの指定が可能
スクリーンショット》 メールの選択や送受信などもすべて右クリックで操作できる
スクリーンショット》 操作モードや枠線の点滅間隔をカスタマイズできる


【作 者】 吉村 隆樹 さん
【作者のホームページ】 http://hp.vector.co.jp/authors/VA001032/
【補 足】 HeartyLadderの音声読み上げ機能を使用するには、沖電気のテキスト音声変換エンジン「SMARTTALK」が必要。作者のホームページからは、PDF版の操作マニュアルなどがダウンロードできる
ソフト作者からひとこと
だれでもみんな人に伝えたい「こころ」があります。笑みで、言葉で、手紙で、そしてE-mailで……。

HeartyLadderは地元の保健婦さんやリハビリの先生たちと協力して、キーボードやマウスが使えない人でもE-mailや手紙が書けるようにと作ったソフトです。ワンキーでの入力によるストレスをなるべく軽減させようと、漢字交じりの文章を速く、そして気持ちよく入力できるようにするための連続選択や学習機能に一番力を注ぎました。また、4種類のモードを準備してあるので、その人に最適なモードを選んでいただけたらと思います。Ver.2から付けたマウス指定モードはお年寄りにも使ってもらえるのではないかと教えていただき、作ったモードです。

でも、HeartyLadderは、本当に必要としておられる方々がダウンロードして、すぐに使ってもらえるものではありません。セッティング、スイッチ、環境設定など最初に誰かの支援が必要なため、パソコンが扱える方々がそれらのサポートをして、「心の架け橋」を架ける手伝いをしていただければうれしいです。
(吉村 隆樹)
go! download
上で紹介したソフト(およびその関連ソフト)のソフト詳細ページにジャンプします。ソフト詳細ページからリンクされたダウンロードページでソフトをダウンロードできます。ソフト詳細ページには、作者データページへのリンクもあります。

フリーソフト
HeartyLadder 右クリックだけで操作できるメーラー (障害者用) 



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