「AikoWin」の基本基本機能は、「比較元・比較先の両フォルダ内のファイルを比較し、同じものがあれば比較先フォルダ内のファイルを削除する」というもの。削除は自動的に行わせることも、ユーザが確認をしながら行うこともできる。また、削除は行わず、比較だけを行うことも可能。サブディレクトリや圧縮（アーカイブ）ファイルの内容をチェックするかどうかも指定できる。

さらに詳細な比較オプションを設定することも可能だ。オプション設定は、比較フォルダなどを指定する「メイン設定」のほか、「条件設定」「その他設定」「あまり使わない設定」に分類される。「条件設定」では、比較元・比較先のそれぞれのフォルダに対してワイルドカードを使って対象ファイル（または無視するファイル）を指定できるほか、比較対象にファイルサイズ指定を行うことも可能。「ファイル名が同じものだけ比較」といったオプションも用意されている。

「その他設定」では、

• 比較終了時に再生するサウンド（WAVファイル）
• ログファイルの自動保存
• 比較先に空のフォルダがあった場合は自動的に削除

圧縮（アーカイブ）ファイルの内容を比較するように指定した場合は、逆に圧縮ファイル以外はチェックしないので注意が必要だ。また、圧縮ファイル内の比較については比較元と比較先でそれぞれ個別に指定できる。このため圧縮ファイル同士の比較だけでなく、比較元の圧縮ファイルの内容と比較先の圧縮していないファイル個々とをチェックするといった使い方もできる。

このように全般によくできたソフトだが、比較フォルダの選択についてちょっとだけわかりにくい点があったので補足しておこう。フォルダの選択は、普通にフォルダツリーのアイコンをクリックするだけでいいのだが、フォルダをダブルクリックしてしまうと、フォルダツリーが消えて選択したフォルダのパスだけが表示される。これだと一見、フォルダの切り替えができなくなったように見えるので、最初はバグかと思ったのだが、実はこのパスを右クリックするとポップアップメニューからフォルダを追加できる。つまり一つの比較元フォルダに対し、比較先を複数登録することもできるわけだ。このポップアップメニューにはフォルダを追加するコマンドのほかに、選択したパスの削除やリストのクリアが可能。リストをクリアすれば元のようにフォルダツリーが現れるので、問題なく使用できる。

開発中に苦労した点
ファイル比較ソフトは、ここVectorさんのライブラリにもたくさん登録されていることからもわかるように、技術的には簡単な作りやすいソフトです。「AikoWin」では処理の速さと圧縮ファイルの対応を一応売りにしていますが、大量のファイルを検索して効率よく格納して、効率よく比較するにはどうしたらいいか、いろいろ工夫しています。ソースを公開したこともありましたが、改善版が出なかったほどです。でも、単にひどいソースだったせいかもしれません。ていうか、たぶんそう。

フリーソフトとして公開するにあたっては印象が大事だと考え、アイコンとバージョン情報はできるだけキュートにしています（ぉぃぉぃ）。そして、できるだけ簡単そうな操作画面に見えるようにしていますが、増える機能を複雑に見えないようにどうやって取り込んでいくかは難しいです。いまのバージョンも難しくなってきているのでなんとかしたいです。

ユーザにお勧めする使い方
同じファィルがありそうなハードディスクの整理にお使いください。CDやDVDの焼きチェックにも使えます。パソコンのメモリがたくさんある場合は「ファイル比較用バッファ」は増やしたほうが処理が速くなります。

今後のバージョンアップ予定
比較処理はもっと速くしていきたいです。あと、ちょっとビジュアルに凝ろうかと思ってます。何か要望があれば、対応するかもしれません。