twad_vol2.zip ( Filesize: 218,521,260 )
頬はひたすらに熱くて、
息は怖いくらいに激しかった。
「あたし、死んじゃうのかな」
「だ、だいじょうぶだよ」
「あたし、死にたくない。
ずっとセイくんと一緒に遊びたい。
あたし、セイくんのこと好きだよ」
「ぼ、僕だって、好きだよ」
「……本当に?」
僕は子供だったから。
スミの病状がどうしようもないほど悪化していることも。
あと数日の命だっていうことも分からなかったけど。
ただ、いま伝えなきゃいけない気がした。
こんなにも、こんなにも君が大好きだっていうことを。
「それなら、あたしをセイくんのお嫁さんにしてくれますか?」
━━容体が悪化したのはその直後だった。
スミが急に苦しみはじめると、
ベッドの隣にあった機械がピーピーと鳴りだした。
スミのお母さんが飛んできて。
お医者さんが難しいことをたくさん喋って。
赤いランプのついた部屋にスミが移された頃には、
もう夜遅くなっていて、
僕は家に帰るよう、うながされた。
翌朝、病室へ来たときには、スミは亡くなっていた。
僕たちはまだ7歳だった。
78年後、僕は死んだ。
永遠の死後の世界で、僕たちはふたたび出会った。
ソフト名: | TWADの物語 VOL.2 |
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動作OS: | Windows 8/7/Vista/XP/Me/2000/98/95 |
機種: | IBM-PC |
種類: | フリーソフト(寄付歓迎) |
作者: | 因果堂Type-I.G. |