twad_vol1.zip ( Filesize: 161,604,712 )
ガードレールをのりこえ、
道路に転落した自分はとても危険な状態だったと思う。
車のブレーキ音と
全身をなにか重いものに踏みつけられたような
衝撃は知覚できた。
けれど、そこまでだった。
黒くて逆らいようのないものが押し寄せてきて、
すべてが失われた。
ただ一つ、目が覚めたら何かいいことがあって、
楽になれるかもしれない。
眠りに落ちるとき決まって思う、
そんな願望だけがあった。
「起きなさい」
真冬の朝にガラス細工を銀の食器でたたいたような、
冷たい声が僕を呼んでいた。
「起きろっ」
「ぶ」
・・・鼻をげんこつで叩かれた。
「やっと起きたわね。よくまあ、お子様みたいな顔で眠りこけて」
目を開けると、僕が最初に見つけたのは夕焼けだった。
次に草の匂いが鼻にとびこんできた。
背中には土の感触があって、肌からは春のぬくもりを感じた。
けれど、そのすべてが夢の中にいるように
どこか薄っぺらくて、嘘くさくて。
不機嫌そうに眉をひそめている少女にきづくのが、
ずいぶん遅れてしまった。
「ようこそTWADへ」
━━彼女はここが死後の世界だと言った。
ソフト名: | TWADの物語 VOL.1 |
---|---|
動作OS: | Windows 8/7/Vista/XP/Me/2000/98 |
機種: | IBM-PC |
種類: | フリーソフト(寄付歓迎) |
作者: | 因果堂Type-I.G. |