「JGrepper」は、複数ファイルの文字列を一括検索し、結果を一覧表示するgrep検索ソフト。一般的なgrep検索ソフトの多くがプレーンテキストのみに対応するのに対し、Microsoft Word/Excel/PowerPointといったOfficeアプリケーションで作成された文書ファイルやPDFファイル内の文字列も検索することが可能（特別な設定やプラグインの組み込みなどは必要ない）。Word 97〜2003のDOC形式、Excel 97〜2007のXLS/XLSX形式、PowerPoint 97〜2003のPPT形式、およびPDF形式に対応する。テキストファイルでは、文字コードの指定や自動判別も可能。さらに、ZIPアーカイブ内のファイルも検索対象にできる。

メイン画面は、大きく三つのエリアからなる構成。画面左側にはフォルダツリーが表示され、検索対象フォルダを指定できる。もちろんサブフォルダ内のファイルを検索することも可能。画面右上では、ワイルドカードを使って検索対象ファイルをフィルタリングできるほか、実際に検索する文字列を指定できるようになっている。

「検索する文字列」は、三つの入力ボックスで指定する。オプションで「すべてのキーワードを含む」「いずれかのキーワードを含む」のいずれかを指定することも可能。各入力ボックスに「正規表現入力」ボタンが用意され、正規表現の設定はダイアログ上で簡単に行える。

検索結果は、画面右下にリスト表示される。検索結果の出力形式は、HTML形式、秀丸エディタ形式、サクラエディタ形式のいずれか。あらかじめ指定できる。秀丸エディタ形式やサクラエディタ形式を指定した場合、検索結果はテキストで表示され、ヒットした文字列を含むファイルのフルパスや行位置、桁位置、文字コードなどの情報を確認できる。対象ファイルがExcelであれば、シート名やセルの行・列番号なども表示されるようになっている。出力方法でHTML形式を選んだ場合は、ファイルのパスにハイパーリンクが設定され、クリックでファイルを開くことができる。

ところが「JGrepper」は、そんな壁を突き破って、Office文書やPDFファイル内までも検索可能にしてくれる、とても頼もしい存在。仕事で蓄積した文書やPDFで配布されるプレスリリースなども、あらかじめ文書データベース化するといった手間をかけずとも、簡単に検索することが可能。一方、検索対象が広がることで浮上してくるのが、ムダな情報をふるい落とし、いかに効率よく探し出せるかという問題だが、この点は正規表現への対応という形で応えている。

正規表現といえば、複雑な条件設定が可能な一方、記述方法がわかりにくかったり、記法そのものを暗記していないと使いこなせなかったりと、相当にハードルの高いものだが、「JGrepper」ではこれをダイアログ上で設定できるため、これまでのソフトよりはるかに身近なものになっている。「本当ならOS自体にこんな機能が備わっていてもいいのに」と思わせるソフトだ。

開発中に苦労した点
当初からGPLv3の条件の下でフリーソフトとして公開したいと考えていたのですが、開発を進めていく中で、オープンソースとして、すでに公開されている他のライブラリがどうしても必要になってきました。あるものはApache Licenseであったり、あるものはMIT Licenseであったり、またあるものはMPLであったりしたものですから、それらのライセンスがGPLv3と互換性があるかどうかを確認するのに、少々時間を要したところが苦労したといえば苦労したかもしれません。プログラミングに関しては、あまり苦労したという感覚はありません。

ユーザにお勧めする使い方
特にお勧めという使い方は、ちょっと思いつきません。

今後のバージョンアップ予定
OutlookやVisioのファイルも検索でき、Office 2007以降のファイルも検索できるようになるといいなぁとは思っています。いつかGoogleデスクトップに追いつきたいです。