「Titan Document Filing Utility」は、ハードディスク内のファイルを効率よく検索するためのファイル管理用データベース。システムフォルダなどの一部例外を除き、すべてのファイルが自動的にインデックス化される。ユーザが仮想フォルダを選ぶことで、該当するファイルだけが抽出表示される仕組み。さらに絞り込みを行ったり、重複ファイルを探し出したりすることも可能だ。

「仮想フォルダ」は、ファイルを抽出するための条件設定を「フォルダ」で表現したもの。実際には拡張子を登録しておく。エクスプローラに似たデザインのメイン画面には、仮想フォルダを選択するためのフォルダツリーと、仮想フォルダ内のファイルが一覧表示されるリストが用意され、ユーザが仮想フォルダを選択すると、当該仮想フォルダの設定条件に一致したファイルだけが（実際のファイルパスとは関係なく）すべて表示される。

初期状態で仮想フォルダに登録されているのは「未分類ファイル」のみ。ユーザの好みに応じて、自由に仮想フォルダを構成できる。仮想フォルダの配下に、さらに仮想フォルダを作成して、階層構造にすることも可能だ。

仮想フォルダには複数の拡張子を割り当てることが可能。例えば「オフィス文書」という仮想フォルダに、Microsoft Office関連の複数の拡張子を登録してもよいし、ビットマップ画像ファイルだけの仮想フォルダや、仕事に関連するファイル形式だけをまとめた仮想フォルダなどを作成してもよい。ひとつの拡張子を複数の仮想フォルダに登録することも可能。例えば、拡張子JPGを「デジカメ写真」「Web用画像」の両方に指定することもできる。

実は、「Titan」にはフリー版のほかに有償版があり、有償版では拡張子とは関係なく、任意のファイルを自由に仮想フォルダに登録できる。さらに、ファイルごとにコメントを付ける機能や検索する機能も備えており、まさに「一般的な文書管理ソフトのイメージ」そのものの使い方ができる。一方、フリー版ではそうした機能を省き、拡張子によるファイルの抽出に的を絞った結果、検索ソフトとしてのイメージが強くなったという感じだ。したがって、拡張子別にファイルを探したり、重複しているファイルを見つけ出したりして整理したいといったユーザにはフリー版で十分だし、プロジェクトごとに関連するファイルを管理したいという方には、有償版をお勧めしたい。

インデックスの作成や更新は自動化されており、ユーザが意識する必要はない。エクスプローラでフォルダを開くのと同じ感覚で使うことができる。拡張子に関する知識さえあれば、パソコン初心者にとっても大いに役立つソフトだ。

開発中に苦労した点
リアルタイムでの重複比較処理部のアルゴリズムと、ファイル移動時の移動情報の管理方法です。

ユーザにお勧めする使い方
拡張子単位でのファイル分類では、大分類・中分類・小分類等の3段階程度に分けて利用すると、使いやすいと思います。

今後のバージョンアップ予定
ネットワーク対応とUSB外付けハードディスクへの対応を予定しています。