「googol-Choo-Choo 3D for Windows」は、フィールド上に線路や道路、建物などのストラクチャをレイアウトし、車両を走行させて楽しめる鉄道模型シミュレーション。モノレールや自動車など、一般の鉄道車両以外の車両も動かすことができる。作成したレイアウトは3D表示で楽しめる。「右側車窓から」「列車追走」などのビューも用意されている。

レイアウトの作成は簡単だ。ユーザは、マス目（トラック）で区切られたフィールドに、線路や道路などのストラクチャを配置してゆけばよい。ストラクチャの配置はドラッグ＆ドロップで行える。トラック数は変更することが可能で、最大99×99マスのフィールドを利用できる。操作感覚は「レール接続型」というより「パズル」に近い。

利用できる基本レールパターンは6種類。直線は縦横の辺に平行な0度（90度）直線のほか、一方の頂点からもう一方の頂点へと抜ける45度直線がある。カーブは、マス目の中で90度向きを変えるR20-90のほか、R50/R60という曲線半径があり、2マス分を利用した片渡り/両渡りや、3マスを使用しての90度方向転換などの配線が可能だ。

線路は、複数のパーツを同じマスに同時に配置できる。例えば、縦直線と斜め直線とを組み合わせればクロッシングを作成できるし、直線とカーブとを重ね合わせればポイントを作成できる。ポイントが作成された部分には自動的に信号が配置され、運転時にはポイントの切り替え操作を行えるようになる。

さらに線路には、地上レベルも含めて5段階の高低差を設定することが可能で、「高架」を実現できる。高架部分では立体交差が行えるほか、（3D表示にした場合は）傾斜も表現される。ストラクチャ付き線路機能もあり、橋脚、踏切、駅、鉄橋なども再現される。駅部分では、運転時に車両を自動停止させることができる。

モノレールや道路も配置できる。モノレールは、（1）通常の線路と接続できないこと、（2）曲線がR20-90以外利用できないことを除けば、普通の線路とほぼ同様。モノレールの線路には跨座式と懸垂式の2種類があり、それぞれ専用デザインの車両が用意されている。

作成したレイアウト上では、車両を配置して実際に走行させられる。車両はSL/DL風にデザインされた機関車や貨車、電車、モノレール車両、自動車など、計20種類以上を利用できる。

しかし、実は鉄道に関しては、他の「乗り物シミュレータ」とは異なる、ユニークな特徴がある。乗り物そのものではなく、模型のシミュレータが存在する点だ。飛行機や自動車の場合、筆者が知らないだけかもしれないが、模型飛行機や模型の自動車のシミュレータというのはあまり存在しない。これに対し、なぜか鉄道だけは、実車のシミュレータのほかに「模型」のシミュレータが存在し、しかも、実車のシミュレータと肩を並べるほどにメジャーなジャンルとなっているのだ。

なぜ、鉄道だけがこのような状態なのか、この理由は考えてみるといろいろ思いつくが、ここでは書ききれない。しかしながら、そもそも「現実の模倣」ともいえる鉄道模型に対し、さらに模倣するというのは考えてみると何だかおもしろい。

話を変えよう。多くの乗り物シミュレータには、とことんリアルを追求したタイプと、ゲーム性、エンターテイメントを追求したタイプがある。では「googol-Choo-Choo 3D」はどちらかといえば、画面デザインをみてわかる通り、「ゲーム性」を追求したタイプだ。それもかなり気楽に楽しめる方向に振っている。実際、「SimCity」ばりに「さらさらっ」と線路を配置し、それをすぐさま走らせることができるのは、「googol-Choo-Choo 3D」ならではのことといえるだろう。市販ソフトには、レイアウタとして使えるほどの高機能な鉄道模型シミュレータもあるが、「googol-Choo-Choo 3D」はそうした手間のかかるソフトとはまさに対極ともいえる存在だ。

しかし、この気軽さがまた楽しい。3D表示は環境によってはやや「重い」かもしれないが、ちょっと慣れればすぐに使えるようになると思うので、ぜひとも楽しんでもらいたい。

現在はまだ、Mac版には実装されている、ムービー書き出し、ユーザ定義3Dデータの取り込みなどの機能が実装されていませんので、今後対応する予定です。また、3Dの描画はOpenGLのみの対応ですが、DirectXへも対応予定です。オンボードビデオチップでも多少は処理速度が改善されると思います。

本ソフトはシェアウェアですが、ユーザ登録前でも起動時のメッセージ以外の機能制限はありませんので、ぜひ一度お試しください。