「スパムリムーバー」は、スパムメールをサーバ上で削除するための迷惑メール対策ソフト。通常使用しているメールソフトとは別に、独自にメールサーバにアクセスし、スパム判定を行った上でサーバから削除する。メールボックスのパンクを防ぐスパムカウンターなどの機能も備える。

「スパムリムーバー」で利用するフィルタは、

• ユーザーフィルタ
• プリセットフィルタ
• ゴーストメールフィルタ

「プリセットフィルタ」は、「スパムリムーバー」が提供するフィルタ。プラグイン（DLL）形式のプログラムとして実装され、自動更新機能で最新のフィルタを利用できるようになっている。プリセットフィルタでは、例えば特定のウイルスが使用するパターンや、アダルトサイトや薬販売サイトがよく使う偽装文字列（Vi@graなど）などの条件でメールを削除することが可能。現在のバージョンでは計16種類のフィルタを利用できる。

「ゴーストメールフィルタ」は、ドメインを所有している場合に有効なフィルタ。あらかじめ所有ドメインとそのドメインで使われているユーザ名一覧を登録しておくことで、未登録ユーザ名宛のメールを削除できる。例えば、vector.co.jpというドメインを所有しており、homeというユーザ名を使用していない場合、home@vector.co.jp宛のメールはフィルタリングされる。

そのほかに、連続して大量に届く「メールボム」をサイズで自動認識し、削除する機能もある。

誤認識への対策としては、送信者のメールアドレスまたは特定のキーワードを含むメールを保護する（ホワイトリスト）機能がある。

次に考えられるのは、メールの表題や本文でフィルタリングする方法だろうが、怪しい単語を片っ端からピックアップしてもいつの間にかフィルタをすり抜けてくるし、手を変え品を変え、なんとかメールが届くよう送りつけてくる。こうなると、「固定的」なフィルタリングではもはや対策するのは難しい。

こうなると望まれるのが、よりインテリジェントなスパム判定だ。判定ソフトにはよく、正規表現を用いて単語判定をするものもあるが、それだけでもまだ不足。例えば、特定の文字をわざと置き換える、文字間にわざと空白を入れるといった偽装にも対応できる「プログラムによる判定」がほしい。しかし、こうしたプログラム判定の場合、新たなパターンが登場してしまうとなかなか対応できないのが辛いところだ。どんなスパムでも汎用的に判定するアルゴリズム、なんていうものができればベストだが、そんなものが簡単にできたら苦労はしない。

そこで注目したいのが「スパムリムーバー」のフィルタ自動更新機能だ。まず、スパムの判定ではプログラム方式を作成しており、かなり複雑なパターンでも自動判定してくれる。単に「特定の文字列」を探すような安易なフィルタリングではない。さらに、もし既存のパターンでは対応できないようなスパムが登場すれば、それに対応した新たなプラグインが作成され、アップデートできる。これは、現状考えられる中ではかなり理想に近いのではないだろうか。「どれくらいの頻度でプラグインがアップデートされるか」が問題となるが、もちろんこのプログラムは作者自身も使っているであろうから、この点に関しては期待していのではと思う。

ユーザにお勧めする使い方
スパムが多く届く人にとって、フィルタを設定する作業が結構面倒だったりします。ということから、あらかじめいくつかフィルタを用意してあります（→プリセットフィルタ）。ダウンロードした直後は、プリセットフィルタを使用しない設定になっています。プリセットフィルタを利用するには、フィルタを有効にしてお使いください。プリセットフィルタは作者からの気持ちです。また、個人でドメインを取得しホームページを管理してる方のために特化したフィルタも用意しています。

付属ソフト（スパムカウンター）
「スパムリムーバー」には、「スパムカウンター」というソフトが付属します。一定時間おきにスパムを削除したり、お知らせメールを知らせたり、メールを携帯に転送したり……といったことができます。

最後に
開発するソフトウェアと常に顔を向き合わせていると、自分のソフトウェアを客観的に見ることが難しくなります。初めてこのソフトウェアに触れるユーザが「何を感じるのか？」といった部分が見えづらくなるのです。そういった意味で、作者の視点よりユーザの視点の方が「わかりにくい」部分を見つけるのに長けていると思います。ソフトウェアへの質問など、ユーザの視点を知ることができ大変参考になります。気軽にメールしていただけたらと思います。