ソフトを使用するにはまず、実際にボウリングを行い、スコアを入力することが必要。入力されたデータは本物のスコアシートと同じ形式で表示される。ノートパソコンをボウリング場に持ち込み、その場でスコア入力を行っても、また紙のスコアシートを持ち帰り、自宅でデータ入力を行ってもよい。

データには、「ゲームごとに入力するデータ」と「投球ごとに入力するデータ」がある。「ゲームごとに入力するデータ」では、ゲームをプレイした日付やボウリング場、コメントなどを入力することが可能。「投球ごとに入力するデータ」では、倒したピンの数（ガーターやスプリットなどのデータも入力可能）、投球ごとに倒したピンの位置（ピン番号）などを入力する。一部データは入力を省略することも可能だが、詳細な分析のためには、すべてのデータを入力した方がよい。データ入力を行うと、各フレームのスコアやゲームのスコアが自動的に計算される。

スコア分析機能では、数多くの分析結果が表示される。例えば、「プレイごと」「日付ごと」のスコアの移り変わりをグラフ表示できるほか、一定期間内での最高点/最低点/平均点、さらにはストライク率/スペア率/オープンフレーム率（ストライクもスペアもとれなかったフレームの率）といった詳細な数字も得られる。

もっともこれらは、ボウリングのスコアのつけ方さえ理解してしまえば、単純な算数だけの話なので、誰にでもわかる部分だろう。問題なのは「重要な意味を持つ投球の際に、自分がどの程度狙った通りの得点を上げられているかどうか」である。つまり、スペアやストライクが求められるような場面で、実際にはどれくらいの確率で要求通りのスコアを上げられているかどうかが重要なのだ。これを知るには、やはり自分のスコアの傾向をしっかり把握しておくことが必要だろう。

「ボウリングの傾向と対策」は、まさにそうしたデータ分析にぴったりのソフトだ。そのためだけに作られたソフトなのだから、ぴったりくるのは当たり前だが。いずれにしろ、このソフトを使えば、自分の得手不得手が見えてくる。例えば、たった1本倒せばスペアがとれるはずの「1本残し」の状態で、なぜかその1本がとれない。いったい自分が苦手としているピンは何番ピンなのか、そうしたデータが「統計」の名の下にしっかりと表示されるのだ。これさえわかれば、「どんなときにどういうポイントをしっかりとれば、自分のスコアが向上するか」がわかるに違いない。

とはいえ、最大の問題は「頭でわかっていても、いつもそれを実現できるとは限らない」という点だろう。こればかりは何度も場数を踏んで、狙ったときに狙ったピンを倒せるようにするしかない。ただ漫然と球を投げるのではなく、「ボウリングの傾向と対策」を使ってデータをとりながら、ゆっくりと投げるようにすれば、もしかしたら上達が早くなるかもしれない。

開発中に苦労した点
単にスコアを入力するだけではなく、入力したスコアをもとにいろいろな統計を表示させたいと思っていました。その一方で、軽快に動作するソフトにしたいとも思っていました。多様な統計を表示させるには、大量のデータを取り扱う必要があり、動作が重くなりがちです。それをいかに軽快に動作させるか試行錯誤し、現在の形にたどりつきました。

ユーザにお勧めする使い方
このソフトを使うことにより、実際にボウリングが上達するのかどうか、それはわかりません。ただ、「10番ピンの1本残りは苦手だ」とか、「あっちのボウリング場ではいい成績が出るのに、こっちのボウリング場では全然だめだ」とか、「第1フレームではストライクが多いのに、第5フレームでは極端に少ない」などと分析することで、なんとなく上達したような気分にはひたれるでしょう。

ちなみに私の場合はどうかといいますと、ボウリングよりもソフト開発に熱中してしまい、全然上達していません。困ったものです。

今後のバージョンアップ予定
初心者から上級者まで、ボウリングを愛好する人なら誰でも気軽に使えて、そして満足できるようなソフトにしたいと思っています。しかし、作者自身のボウリングの腕前は未だ初心者の域を出ていませんし、プログラミングの腕前も似たようなものです。ご利用に際して何らかの違和感を感じる部分が多々あるかと思います。ご意見・ご要望があれば、ぜひお寄せください。できる限り対応します。